えす、えぬ、てぃ

好きなものの話をしよう

耳から逃避行

星野源オールナイトニッポンが放送された。
1月2日にやる予定だった2023年の放送を振り返る「星野源アワード2023」をこのタイミングで再編集され、満を持しての放送だった。

 

 

 

 

1年って早いな。こうして星野源アワードを聴くのは4回目だろうか。2020年の秋から聞き出したまだまだど新規リスナーだが、一端に「今年もこの季節か」なんてしみじみしてしまう。

 

 


こうして振り返ると、覚えている回ばかりで驚く。そして何よりも、エントリーされていないことも含めて好きな時間ばかりでびっくりするな。

 

 


ところで、私は星野源オールナイトニッポンでジングルのコーナーが大好きである。
このラジオを聴き始めて、強烈に惹かれたのは、間違いなくこのコーナーからだった。

 

 


リスナーから送られてきたジングルを紹介し、良いなあと思ったものは実際に番組としてジングルに使われるという神コーナー。本当に私はこのコーナーが好きで、音楽から喋りネタまでなんでもござれなこの時間をずっと楽しみにしている。
それは何より、源さんが本当に嬉しそうに楽しそうにそのジングルを聴き、くだらねー!とはしゃいだり、こんなの作れるの?!と本気で興奮したりするのを聴くことができるからだ。

 

 


そこにいる「星野源」はポップアーティストの五大ドーム完売男の、星野源ではない。音楽が好きで、面白いことが好きな変態である。
その変態が自分の好きな音楽や面白いで遊ぶリスナーというおともだちの創作に心からはしゃぐ。
そして「作り続けてください」と音楽ジングルの作者たちに真っ直ぐに言う、私はその構図が、時間が、大好きなんだ。
それは、なにかを作りたいと思う、ひとりの「面白い」が好きな私になってもかけがえない時間である。

 

 

 

2023年の星野源アワード2023の大賞になった、そのジングルは、私にとっても心に残ったジングルだった。
それは、放送中にも語られていた。ジングルに添えられた言葉と、そんなリスナーに届けられた源さんの言葉、そこからまた生まれたジングル。そんな流れ含めて、とても好きだった。好きだったのだ。誰かが関わって、新しい何かが生まれること、届くこと、届いて、また何かが生まれて、さらにそれが届くこと。
そんなことを今回星野源アワード2023を聴きながら思い出して、昼休み、職場でほんの少し泣いた。嬉しくてニヤニヤして、蹲りたいようなはしゃぎ回りたいような気持ちを噛み締めた。

 

 

もちろん、そんな大切なひと場面もあれば、くだらなくてしょうもないなー!と思う瞬間もある。だけど、それがいいのだ。だから、それがいいのだ。

 

 

もう一個人生のシェルターができたような感覚になってて、自分の辛い時にはラジオの世界に飛び込めば、好きなパーソナリティが自分のためだけに分かるよわかるよって喋ってくれてるような気がして、すごく助かる
俺にはもう一個別の世界があるから、気が楽になるんですよ

 

 

 

ふと、いつかのラジオでそう話していたDJ松永さんの言葉を思い出して本当にそうだなあ、と思う。

伝わらないことばっかりで、言ってたじゃん、と思ってぼろぼろと角から欠けていくような感覚が、ラジオでリペアされていく。
それは、慰められたとかここでなら共感できるとか、そういう「おなじ」の居心地の良さじゃない。似てるけど、少し違う。
そうじゃなく、たぶん「分かるよわかるよ」の相槌なのだ。ああでもこれも、共感、に伝わっちゃうかな、違うんだよ。

 

 

ともあれ、私は今日もラジオで思い切り笑って、ニヤけて、ばかだなあーと呟いて、そうしてなんだかんだ、今日も楽しかったなあと布団に潜るのだ。