えす、えぬ、てぃ

好きなものの話をしよう

帰ってきた

人は嬉しいと、泣いてしまうんだな。
そういう感覚が嬉しくて、びっくりして、なんなら我ながらちょっと大袈裟だなあとバカバカしくもあって、でもどうあっても、嬉しかった。

 

 


急遽、Adoさんの体調不良により、元々事前収録予定だった放送をCreepy Nutsが生で代打で担当することになった。
その知らせが、昼間ぼんやりTwitterを見ていたら飛び込んできて、脳内いっぱいに???が浮かんだ。
去年の春、惜しまれつつ、と何度も聴いた文言。自分の中で2023年の出来事として大きく、飲み下すのに時間がかかった大事件。そんな彼らのラジオが急に一夜限りの復活を遂げるという。

 

 


え、え、と思いつつ、お知らせを読み、Adoさんのお休みが台湾のツアー公演に向けて大事をとったものであること、ツアーは予定通り行われることを把握してははあ、と思う。
良かった。
時々聴くくらいのリスナーではあるけど、Adoさんの世界ツアーを私はすげえな、と楽しみにしていて、なので、なんか、それが行われること、そしてそのために大事をとって仕事が調整されることに、ラジオを聴くたびに感じる多忙さの中で、安心した。
もちろん、終わりが決まっているなかで、一回減ることの寂しさも、想像してしまうけど。でも、体調を優先できるそんな環境であること、そして、それが自分の大好きな放送局のラジオであることに嬉しいなあと思う。

 

 


思いながら、ちょっとこれもまた、現実逃避だよな、と依然として頭の中に溢れる?に他人事のように思う。
Creepyのラジオが?帰ってくる?ふたりで?松永さんがオールナイトに戻ってくるだけでもあんなに嬉しかったのに?え、現実?
怒涛の勢いで流れていくタイムラインにだよな、混乱するよな、嬉しいよな、夢じゃないよな?と思いながら過ごした週末。
図らずも、「オードリーのオールナイトニッポンin東京ドーム」のある「ラジオ」な週末の直後。なんなら(このブログを書いてる時点ではまだ観れていなけど)あさイチでラジオ特集がある、とわくわくしてるだけでも盛りだくさんなのに、これ以上は嬉しいけどキャパ越えてるよ!なんて思っていて、なんだか「なんでラジオが好きか」を改めて掘り下げるためのスケジュールだなあ、なんて思っていた。

 

 


そうして考えに考えて、だんだん無の境地にも似た場所に近付いてきた放送のある月曜の朝、唐突に帰ってきたドラえもんのことを思い出した。ああもしかしたら、私のこの1年はそれだったかもしれない。

 

 

私は、どちらかと言えば、自分がラジオが終わって以降「平気だった」人間だと思っていた。
もちろん、終了発表当時は大きく調子を崩しはしたけど、それは何もラジオだけが原因ではなかったし、だからこそ「いや心配されるほどじゃないんすよ」と思っていた。好きなラジオだってあれからも増えた。いい意味で、何も変わってない。
何よりも自分なりに「推しラジオが終わったので本を作ることにした」という本を作ることで、完全に自分の中でまたケリをつけたつもりだった。
そこからの彼らの快進撃もあり、ラジオを止めて音楽に専念するという選択をした彼らを改めて「最高だな」と思ったりもした。雑な言い方をすれば、彼らのラジオがなくても「大丈夫」なつもりだった。

 

 

なんか、そういうの全部、もちろん嘘ではないんだけど、なんだか、ただ、限りなく「帰ってきたらドラえもん」ののび太のような心地だったのかもしれない。僕がちゃんとしていないと、ドラえもんが安心して未来に帰れないから、と言ったのび太のような気持ち。
普通に生活を送って、彼らがいなくなってもラジオが好きで、だからもう、大丈夫だよ。
いやまあ、ほんと、そんなこと全然、関係ないんですけどね。彼らにリスナーのその後はいい意味で無関係だし。だけど、勝手に私はそんなつもりだったのだ。

 

 


終わってもなくなっても、好きで、平気なんだよ、ということで私は私なりに「好きだ」の確定にしようとしていたんだと思う。終わろうがどうしようが、変わらないこと。終わっても大丈夫だ、と思うことで、変わらない、に変えたかった。

 

 

そんな気持ちに気付いて自分がきっとそれだけ寂しかったんだな、と実感してしまった。まあ、うん、そうだよ、寂しかったよ。

気付いてしまえば、否定もできないし、そうだよなあ、寂しかったよなあ、と思いながら迎えた、深夜1時。
笑ってしまうほど、通常通りだった。
世界的なバズも、一年ぶりだということも、関係なく、いや、触れないというハスりかたをするわけでもなく、どころかこの一年、定期的にリスナーが言ってきた「この出来事、もしラジオがあってら彼らはどんな風に語ったんだろうね」なトピックを凄い勢いで回収しながら、彼らは笑い、騒ぐ。
色んな人を巻き込みながら怒られそうなことも言ったりしながらげらげら笑う、彼らの放送を聞き、私もげらげら笑っていた。眠くなる暇なんて、全くなかった。

 

 

週末から、考えていた。私はなんで、ラジオが好きなんだろう。
ラジオでなら、寂しくならないからか。他じゃどこか浮いてしまう感覚が平気になるからか。ここだけでしか聴けないエモが好きなのか、内輪感が居心地が良いからか。
どれもそうなような気がするし、でもどっか、違うような気もする。

 


特別な、「ラジオが好きだな」「好きでいて良かったな」と思う夜がくるたびに、毎度思う。なんだって良かった。笑えても笑えなくてもいつも通りでも特別でも。エモくても最低でも。
何があったから好きなんてことでもなく、ただただ、なんとなく、理由もなく、わかんないけど、好きなんだよ。

 

 

結局、まるで先週も来週もあるみたいに通常放送で彼らは2時間を駆け抜けて、去っていった。またたぶん私は、別に寂しくないと思うし、ラジオがなくても大丈夫だって思うし、好きな他のラジオを楽しいと思いながら聴く。

 


あの薬を飲んだわけじゃないけど、そうして平気なフリをしながら、精一杯、思う。

 


ぜんぜんうれしくない!またずっと、彼らのラジオを聴かない!