えす、えぬ、てぃ

好きなものの話をしよう

拝啓 山田裕貴様

毎週、楽しくラジオを聴いている山田裕貴さん……ここでは、あえて普段呼んでいる「やまゆさん」と表記させてほしい……を最初に好きになった時期を確認したら2017年だった。ということは、もう7年くらい経っているのか、と驚いた。

 

 


今でも、やまゆさんを「好きだ」と思った理由は覚えている。たぶん、一生忘れないのだという自信がある。
それはHiGH&LOWの「村山良樹」のドラマシリーズでの台詞だ。
コブラとの出会いからのタイマンシーン、コブラの様子に、村山が叫んだ、「俺とお前、何が違うんだよ?!!」という言葉。それがずっと、心に刺さっている。
あの頃、私はHiGH&LOWに出逢えたことでずいぶんと救われたのだ、といまだにずっと思ってる。社会人に出てから早々に躓き、なんとか見つけた仕事でも「お前なんて」と言われながら仕事をしていた、そんな時だった。
何が違うんだよ、とずっと思っていたし、絶対にここで終わるか、とずっと歯を食い縛りながら過ごしていた中で、喉から血が出るような叫びに心底、ああそうだよ、と思った。し、それがやまゆさんのアドリブだと知り、この人のことが気になる、と思ったあの日から。

 

 


私が、やまゆさんを好きになったのがいつか思い出せるのは、一つには当時発売された二作目の写真集、歩を買ったからだ。
梅田でのサイン会は当然のように仕事で行けず、それでも、と会社のトイレで隠れて電話をして取り置きを頼んだあの日。取り置きしてもサインはありませんよ、と言われたけど、それでもどうしてもあの日に本が欲しくて、「それでいいです」と言ったあの日。
仕事で何があったのかはもう覚えていないけど、ともかく「やまゆさんの作品に触れないといけない」と衝動的に本を買い、帰って大切に写真一枚一枚を見た。

 

 

 

それからいくつか作品を観たり、インタビューを読んで、その度に「ああこの人を好きになって良かった」と思う。いくつもの作品にあれからも何度も「まだまだ」と思わせてもらってきた。

 

 


なんで「山田裕貴オールナイトニッポンX」への言葉を書くのに、芝居をする山田裕貴の話から始めているかと言えば、結局のところ、私はやまゆさんの「表現への姿勢」が好きなのだとここ数週間の放送で気付かされたからだ。

 


一部昇格に、日本アカデミー賞の話題。2週連続のビッグニュースと、そこに対してのやまゆさんの言葉を、声を、ずっと思い出している。
初回から、なんならそもそもの単発から聞き始めたこと、また、こうして聴き続けているのは、紛れもなく、そんな思いからなのだ。

 

 

 

ラジオとはそもそも嘘のつけないメディアであり、その人自身を好きになってしまうメディアだと言われているけど、本当にそうだ。

 

 

 


悪い意味ではなく、達者なトーク、面白いトークを、というよりも何よりも私は、そしてきっとリスナーの多くは「山田裕貴トーク」を求めているのだ。

それは決して、やまゆさんが好きだから、だけではない。好きだから、どんなトークでも受け入れられるとか、そういう「好き補正」の話ではないのだ。

どんな話でも「山田裕貴が話している」というだけで面白く、耳を傾けたくなる魅力がある。そこに、彼のそして彼のラジオの魅力がある。私は聴くたびにラジオってすげえな、と思う。

 

 

 


山田裕貴オールナイトニッポンXの中で、忘れられない放送がある。
我が家のご馳走というテーマでリスナーから様々思い出のご馳走を募集した回。小さな子どもでも楽しめるようなご馳走を試行錯誤して用意してもらっていたエピソードが多く、聴きながらなんだか、幸せになるような気持ちになった。
そんな中、やまゆさんが「これって愛だよね」とびっくりしたように、嬉しそうに言ったのだ。
私はそれを聴いて心底驚いた。驚いたし、なんならちょっと泣いたし、そしてうんそうだ、愛だ、と思った。

 

 


どんなメールにも真剣に楽しそうに話をしてくれる才能。トークとしてウケるとかすべるとか以上にその瞬間瞬間に本気になる時間が多過ぎる、そんなパーソナリティだからこそ、私は彼が好きなのだ。

 

 


日本アカデミー賞受賞について飾らず、嬉しさと悔しさを感謝を口にしたやまゆさんは、私が好きになったあの頃から変わらず、格好良くて熱くて、最高の表現者だった。

 

 

 

 

生きていると実感したいから芝居をするのだと、誰かの人生を精一杯生きるところにお芝居の面白さがあるのだと話してくれた彼が、お芝居が好きな一人間として、心の底から好きだ。
きっと私は、日々、色んなことがあるなかでスカすこともハスることもなく、真正面から熱量と愛を持って生きていく、あなたの芝居が、表現が好きなのだ。

 

 


ラジオで笑い、凹み、怒ったり泣いたり、楽しそうに喋り、生きるあなたに会える夜を、これからも楽しみにしています。

 

 

山田裕貴さん、第一部昇格、心からおめでとうございます!!!!!