えす、えぬ、てぃ

好きなものの話をしよう

好きな「DJタイム」を教えてくれたひと

暑い日だったと思う。
初めて行く場所で何度も「行くのか?」と自分に問いかけながら進んだし行くけど…と思いつつ目に入る全部に「場違いだから帰りてえ」と思っていた。楽しいと拭いされない「ここにいて良いのか」をいつもいつも思ってしまって恥ずかしいけど、あの時は特に初めての場所で、だからこの、あの日あの場所がそうだったことは、私の最高だったのだ、と今でも思う。

 

 

 

 

薄暗いフロアで、音楽を楽しいと思いながら身体を揺らす。だけどそうしながらずっと「この楽しみ方で良いのか?」とそわそわしていた。
クラシックも知らない、偏った好きなラッパーしか分からない。勢いと「あの曲が生で聴きたい」という欲求だけできてしまったけど、これで良かったのか。
それはそれで、それが知れただけでも良かったじゃん、と思う。

 

 

 

ステージ上で進むライブ。楽しくて近くて、だけどどこまでも遠いようにも感じた。それでも楽しくて、なら別にそれでも良いか、と思った数時間経った頃、見たことのある方が出てきてほっと息をついた。
少し早く進行してるから、と始まった特別なDJタイム

 

 

 

 

 

あ、と思う。


スチャダラパーの「サマージャム'95」

 


心臓が「うれしい!」と跳ねた。いや、たぶん心臓だけじゃなくて絶対飛び上がったと思う。うれしい、と思う。知ってる、私はこの曲を知ってて、大好きで、そうだ、この曲聴いてる時は「楽しい」なんだよな。

 

 

 


その時、DJを回していたのがSPI-Kさんだった。
まだ画面越しでしか見たことなかったけど、ホッとする笑顔で、次々と夏の曲をかけながらフロアを煽っていく。KZさんとふたり、場を煽り「一緒に楽しむ」へと引き込んでいく。
私はその時、ああそうか、今日このライブに来て良かったんだよな、と思った。
詳しくはない。1バースしか口ずさめない。でも、好きで楽しくて、だったらこの時跳ねた心臓は「楽しい」と言ってると思って良いはずだ。
初めて聴く曲にわくわくすることも、知ってる曲に身体を任して踊ることも、どっちも楽しい。幸せだ。そう思う。

 

 


腕をSPI-Kさんが挙げて、それに倣って腕を挙げて、気が付けば結構思い切り笑っていた。ひとりで来て、ひとりでノリノリで踊り、笑ってる姿はヤバいやつだったかもしれない。いや、なんならうまくリズムに乗るのが下手くそな私は「ノリノリ」には見えなかったかもしれない。

 

 


けど、別に良いのだ。それでも良いのだ。

 

 


ここは、楽しくてピースフルで、好きな音楽がある場所だ。そう思って良いのだとSPI-KさんのDJタイムにそう思った。知ってる曲も知らない曲も楽しいこと、次に何がくるのかワクワクすること。
あれ以来、行くライブやイベントでDJタイムが好きになったのは、確実にあの夏の暑い日、その楽しさをSPI-Kさんが教えてくれたからだと思う。

 

 


今、SPI-Kさんは、闘病期間中でお休みしている。早く元気になりますように、といつも祈る。またクラブで、イベントで、ライブ会場で。
「これが楽しいだよな」とあの挙げる腕に大きく頷いて飛び跳ねたい。
そんなことを、ずっと考えている。

 

 

 


闘病生活の中でLINEスタンプを販売されてるとのことなので拡散。
このわんこたち、結構、とても好きだな、と思う。