えす、えぬ、てぃ

好きなものの話をしよう

OVER THE SUNが好きだ

互助会のひとたちが好きだ。
OVER THE SUNが好きだ。


聴き始めたのはドラマ「生きるとか死ぬとか父親とか」がきっかけだった。
生活は踊るではなくOVER THE SUNから聴き出したのは当時、まだradikoのプレミアム登録をしておらず、エリア外で聴けなかったからで、そんな中、Spotifyで気軽に聴けたからだ。


スーさんと美香さんがゆるっと喋る。
その空気感がいつのまにか特別になり、毎週の楽しみになった。初めて送ったメールを読んでもらえて心を震わせたりもした。



先週の21日公開されたEp69を聴いて思う。ああだから、私はこの番組が好きなのだ。


Ep69では68で紹介されたメールへのリスナーからのメッセージがいくつも読まれた。
ゲイであることを親にカミングアウトして否定されたささしょうさんへの、いくつもの色んなひとたちの経験談。また、それを受けてのスーさんや美香さんたちの言葉。



全エピソードの中で、一番繰り返し聴いた回がある。


離婚の理由を尋ねられた時どうするかという相談に対して、実際に離婚したことがある親、あるいは親が離婚した子どもの立場のリスナーからメールを募った回だった。


いわゆるお悩み相談にばしっと「正解」を伝えるのではなく、「自分はこうだった」と色んな人が話を持ち寄るところ。そんなところが、私はOVER THE SUNで好きなのだ。


色んな人がいて、答えはない。
リスナーのメールの中には「わかるわかる」もあれば「そんなこともあるのか」と驚くものもある。
真剣なテーマに対してもちょっと様子がおかしいテーマに対しても、変わらず楽しそうに話すスーさん美香さん、リスナーが私は好きだ。



たびたび、このOVER THE SUNのリスナー、スーさん・美香さん含めて「互助会」と呼ぶことがある。助け合ってやっていく、励ましたり褒め合いながらまあなるようになるさ、と声を掛け合う。


ものすごく強い結びつきがあるわけじゃないけど、このお互い肩を叩き合えるような、お疲れ様と見知らぬ誰かに思えるようなこの距離感が私は大好きなのだ。


それは例えば、今やってるヒヤスンスのこともそうだ。
ある回から唐突に始まったヒヤスンス企画。
企画、と、言ってもただ、それぞれがそれぞれの場所でヒヤスンスを育てる。それだけ。
Twitterやインスタに投稿する際のタグこそあれど、具体的には各々が各々の持ち場で楽しむだけだ。

だけど、私は、今回この企画にのっかりヒヤスンスを育ていてすごく楽しい。植物とはいえ、家に自分以外の命があるのも愛おしいし、徐々に育っていくスンスにえらいねえと声をかけるのも楽しい。
そして同じように日本の、世界のあちこちでこうして誰かもスンスを育ててるのだなと思うと無性ににやにやしてしまう。


OVER THE SUNも互助会も、別に人生の問題を解決してくれるわけでもとんでもない幸福をプレゼントしてくれるわけじゃない(いやメール読んでもらってスーさん美香さんのコメントにはものすのく元気と幸福をもらったけど)
でもなんか、日常のなかのいいな、なんだ。ささやかにでも確実に増えていく愛おしさがあるんだ。そうして遠くの同じようにこのラジオを聴く誰かが今日も笑ってたら良いな、と思うのが嬉しい。


良い話を聴けるからとか為になるからとかでななくて、ただただ、あそこにいる人たちの会話を聴くのが好きで、私は金曜日を楽しみにしている。
それから一時間、笑ったり考えたりして「あー楽しかった」と肩の力を抜くのだ。ほどほどに騙し騙し、まあこんなもんよ、とのらりくらりやっていくために私には必要なのである。