えす、えぬ、てぃ

好きなものの話をしよう

砂糖と塩

スパイスカレーに去年からハマっている。

 

そもそもが自炊することが苦手だ。食べることが大好きだけど一人で食べるのは興味がなく、貧乏な時期も長かったので「自分のために食材を買う」が苦手だった。

姉と同居していた頃に「お前なんでそんなに小さく野菜切るの」とドン引きされたこともある。わかっているけど、食材を使うことが怖かった。

 

そんなわけで、自炊が苦手だ。昼の弁当はさすがにちゃんと作ることにしているが、それも他所で買うのもお金が勿体無いしかと言って抜くと仕事の効率が悪くなるから、というだけだ。

美味しいプラスアルファの理由がないと、私は自炊を頑張れない(一度、自炊を習慣にしようとしたけど、それもちょっと無理だった)

 

 

そんな私の唯一の「頑張りたい自炊」がスパイスカレーだ。

カレーもスパイスも好きで、作るとなんだか自分のコンディションが整う。それは食べれば、ではなくて作れば、でなので定期的に使っている。

 

 

の中で。

の中で、だ。今日、久しぶりにスパイスカレーを作って食べたら妙に甘い。おかしいと思って「塩」のつもりで追加した調味料が「砂糖」だった。

これである。

見れば分かる、みたいなことが自分には通用しない。そんなにしょっちゅう料理もしないし、手の込んだ料理も無理。揚げ物もそうだけど、今回実家に帰って思った。そういう時にご飯を作る手伝いをして、料理を覚える必要があるんだよな、本当は。

必要があるというか、そうした方が後から自分は後悔する。のは分かってるけど自分のコンディションと照らし合わせてしっくりこない。

 

だからと怠けているからこういうことになる。

 

と頭の中で罵りながら、砂糖で味付けされたカレーに塩を振った。塩の溶け方を思うと、なんとかなんじゃね、と思った。なった。

前なら極限まで落ち込んでただろう失敗に「なんとかなるやろ」と塩を振れた自分に感動している。私、そういうことするタイプだったんだ。

 

なんだかしかも、美味しい。甘さからスタートして焼けた分手羽先はこんがりして美味しいし、にんにくを多めに入れたからあとがけの塩も良い感じに噛み合った。美味し過ぎた、すらある。

 

なーんだ、と思う。意外になんとでもなる。

前ならきっと当面自炊できないくらい落ち込んでたのにな。