寝るのが苦手だ。
苦手というか、そもそも寝ることについてそこまでの執着がないし、寝るよりも動いてる方が楽しいし、寝て嫌な夢を見ることも多いので優先順位が下がる。そういう意味で「寝れない前提」がある深夜バスの方が安心してむしろ眠れる。
かと言って、じゃあ「不眠症」と名付けるほど眠れないか、と言われるとそうでもない。意外に（質はともかく）眠れている。
そうなるとただただ、「寝るのが下手」と諦めて、ほどほどに折り合いをつけてやっていこう。それが、私の中の睡眠への向き合い方だった。
その時の私の睡眠装備、硬めのベッド枠（木製）とぺらめの3点セット2980円（敷布団、掛け布団、枕）。見た友人が「畳で寝た方がマシ」と言い放つレベル。
もうこの時点でそりゃ寝つき悪くて当たり前だろ何言ってんだお前と言われそうだけど、いやでもずっとそれが普通だったんだもん…と口をもごもごしたい。
ついでに言えば、自分がここで「睡眠環境を改善しよう！」と思わなかった理由は（一応）あるにはあるのだ。
どんなホテル、実家のまともなマットレスで眠っていてもそんなに熟睡できないのだ。…まあこれも、自分の家の環境じゃないなら仕方ないだろと言われそうなんだけども。
そもそも眠ることへの関心が薄いと「寝るための環境を整える」って結構難しい。意識ないし。コントロール外にあるような気がするし。
でも昔から私の周りの友人たちはそういう自分の生活空間や生活そのものを豊かにする、居心地が良いものに変える努力をできる人が多くてそれは本当に尊敬する。
なんで自分がそれができないのかは、まあ、一旦さておいておこう。今回の本題ではないので。
で、そんな私がマットレスを購入した。Koalaという結構良い値段のするマットレスだ。
購入の動機は色々あるけど、たまたま読んでいた文で「コアラの支援につながるマットレスがある」ということを知ったからだった。
コアラ 里親 マットレス、で確かすぐにヒットした（何故かその時は里親になれる、と勘違いしてた）（昔なんかで海外の動物を助ける為の寄付をしたら里親になれる取り組みを見たからそれとごっちゃになってる）
→と思ったら、2018年にはコアラ里親の認定証が送られていたらしい。今は代わりにコアラのぬいぐるみが送られてくる。
調べるとコアラをはじめ、他の動物たちの環境を守るための取り組みをしているというじゃないか。最高。
動物が好きだ。特にオーストラリアならコアラのほか、大好きなカンガルーもクァッカワラビーもいる。それはぜひ、守るための活動をしてほしい。
地球の環境保全、という自分の睡眠改善だけじゃなく、好きな動物の少しでも「良い」に繋がる。なんなら睡眠改善はそのおまけでもいい。ありだ、めちゃくちゃありだ。
そんなわけで、常に目標があるのが日々真っ直ぐ歩くために必要な私はこのKoalaのマットレスを買うことを目標に見据えた。良い値段はするけど、むしろするからこそいい。よし、頑張ろう。
……そんな風に思っていたマットレスをひょんなことから冬のセールを利用して早々に購入した。行き当たりばったりで生きてる。計画性というものから程遠すぎる。次は何を目標にするか若干途方に暮れてはいるけども、まあ善は急げだ。なるはやで動物が救われるのはきっと良いことだろうし。
それから、Koalaのマットレスを部屋に設置、生活している。
まじでびびった。身体が軽い。というか私が今までどれくらい自分の身体に負荷がかかる睡眠だったかを理解した。まじであれ、睡眠じゃなかった。修行の一種かなんか。
身体が軽いって本当になに？って感じだったし
そもそも寝て頭がスッキリしてるなんてついぞここ数年味わってなかったし
このままちゃんとこの環境で寝たら悪夢を見続けてるのも改善されるのでは？こちとら、連続悪夢記録更新中の人間ぞ？の感じはあるけどいやそれすら打ち破れそうな気がする。
それくらい、目覚めがスッキリしていた。なんなら夜通し寝る、というのがご無沙汰になってた私が久しぶりにしっかり寝た。すごい。
寝るのは大事だし、マジで感動しすぎて色んな人に「ほら言わんこっちゃない」と言われててごめんね、とも思ってる。
そもそも睡眠は大切というたぶん子どもでも知ってるだろうことをこんなに新発見のように騒いでるのはどうかしてると冷静な自分が思ってないこともない。だけど、まじで感動してるのだ。
ついでに言えば、私は小さなことにも落ち込む分、嬉しいとき、良いなと思った時は殊更に喜んで行く、をモットーにしているので、ここはもう、祭りもかくやというくらい喜ばせてほしい。
寝て、身体が軽くなったのが嬉しい。もうにっちもさっちもいかないぞ、みたいな疲労が軽くなったのも嬉しい。こっからなんでも出来る気がする。
体力にものを言わせて打破！みたいな毎日の限界をここ数ヶ月感じてたけど寝ることで回復できる余地があることを知った今、いやまだいけんじゃね？って気がしている。
もう無理だ、の限界値を越えて頑張ることは難しい。だけど、まだ抜け道というか、こういう方法もあったのか、とマットレスで寝るようになって思う。
だって全然違う、疲れが。
だとしたら今まで疲れながらやってきたいろんなこと、疲れてるからで諦めてきた色んなことができてしまうじゃないか。
それはそれとしてやりすぎは何事も良くないので、そこは残機の数を勘違いしないようにしなきゃだとは思う。
