えす、えぬ、てぃ

好きなものの話をしよう

Creepy NutsのオールナイトニッポンTHE LIVE2022

何を見たのか、と言われると難しい。
バカみたいに笑ったのに何がそんなに面白かったのか、とは説明できそうにもない。




Creepy NutsオールナイトニッポンTHE LIVE2022〜オレらのRootsはあくまでラジオだとは言っ・て・お・き・た・い・ぜ!〜を観てきた。
番組内で情報公開当時から「キモイベ」と呼ばれたこのイベント。なんせイベント当日にも一切情報が出てなかった。
いや、情報は出てなかったわけじゃなくて「地下DMCやります」「大江戸シーランとギャルオブザ・デッドももちろんあります」「指ポキ選手権もやる?」と色々毎週ラジオで話していたわけだけど並べていても何言ってんだ?すぎる。そもそも聴いたことなかったら想像すらつかないラインナップだ。





だから、観に行くまで友人と何が見れるんだろうね、でもだいぶとち狂ってるね、とそわそわしつつ、なんか、絶妙にニヤニヤ顔で向かった。
語弊を恐れずに言うんだったら「何観たんだこれ」って爆笑できれば、見るものが虚無だろうがなんだろうがありだし、それは間違いなく叶えてくれる信頼があるわけで。






そんな「どんな感情だこれ?」と笑ってしまいそうな気持ちで、私はライビュ会場に座った。
音楽が生業の彼らがトーク中心のラジオイベントでしかも本人たちが「キモイベ」と銘打っているイベントにこんなに人が来てる。なんかもうそれが嬉しくてこの後何を見てももう満足かもしれない。そんなことを思った。
ただまあ、ここでも相変わらず私は「何を見るんだ?私は」という気持ちは消えないわけで。




しかし、チャプター画面で始まった冒頭、ある意味で理解した。
彼らも口にした通り、そんなもん、映画館で観る想定、一切ないわけで、まじで友達の家で映画を見る時の感覚でその後のくだらない応酬含めて、あの瞬間、国際フォーラム含めて100会場が全部"ツレの家"みたいになった。





いつものコーナー、すぐ対決企画をやりたがること、自分たちの好きなものの話をすること。
容赦ないリスナーイジリや悪態、お互いへの文句。




私たちが毎週聴いてる、何度も何度も繰り返し聴いたラジオが、そこにあった。
いやまじで、くだらなかったの。最低なトーク多過ぎるして予算潤沢になってるけどそれを全部悪ふざけに使ってて、リスナーもバカだなー!って爆笑したくなるようなネタを送ってきてて。
なんかもう、笑っていた記憶しかない。




よふかしのうたで歌われる通り、白々しく正されることもなく、かと言って許されるわけでもなくダメはダメのまま、そのまま在るのが深夜ラジオなのかもしれない。


キモイベに揚々と現れた人々は、私も含めてたぶん、普段の生活では普通の顔をして生きていて、でも深夜、あるいは朝、昼、自分にとっての"よふかし"の時間にあの周波数に遊びにくる。



君が踊り、僕が歌う時
新しい時代の夜が始まる。
太陽の代わりに音楽を
青空の代わりに夢を。
新しい時代の夜をリードする。
オールナイトニッポン




このブログを書くために手帳を開いたら、初期のオールナイトニッポンの言葉をメモしていた。
そうだ。深夜ラジオには太陽も青空もないけど、でもそんな場所で私たちはずっとバカ話をしてきたんだな。




ちょうど今年の初めの方で、松永さんがゲスト出演したラジオ番組でラジオについて話していた(ニッポン放送のじゃなくてあれですけども)


"自分が辛い時にはラジオの世界に飛び込めば、好きなパーソナリティが自分のためだけに分かるよ分かるよって喋ってくれるような気がしてすごく助かる"



少なくともあの3時間弱バカバカしすぎてひたすら笑って、見終わった直後、何があったか少しも思い出せないことにまた笑って、そうした時の私は「すごく助かる」と思った。



まあ観たのは、キモイベなわけですが。




でも本当に楽しかったな、
願わくば、この人たちのラジオがずっと聴けますように。