えす、えぬ、てぃ

好きなものの話をしよう

SPECIAL SHOWCASE / Who Are You?

まるで、名刺代わりのようなエンタメだった。
今まで歩いてきた道という意味ではもちろん、どんなものを作るのかを堂々と示すようなそれに、ただただ、圧倒されるような心地で見ていた。


PERFECT YEARの企画の一つであるSPECIAL SHOWCASE。
三代目のボーカルふたりがそれぞれの世界観で展開するソロ活動を一つのステージで作り上げるという企画だ。

登坂さんと今市さんは同じグループのツインボーカルではあるけど、ソロでの世界観や音楽のジャンルは異なる。
それを一度に楽しめるという構成は何とも贅沢だと思ったし、彼らが背中を追いかけてきたEXILEと同じステージを使ってパフォーマンスをするというのをなんとも「エモい」と言いたくなっちゃうじゃないか!と発表当時、バタバタと唸っていた。

実際に、生で見てみて思う。
三代目は観たことあってもソロはない人、登坂さんのファンだけど今市さんのソロパフォーマンスは見たことない人、今市さんのファンだけど登坂さんのパフォーマンスは見たことない人。
その全てに訴えかけるような「これが俺です!」と示すみたいだった。そこには彼らのソロが物凄い密度で濃縮されているようだった。その上、三代目は今年10周年を迎える。このふたりが揃って、更にパフォーマーと共に作るステージは物凄いに決まってる。そう、確信させられるような時間だった。


ふたりでの歌唱シーンを「あえて」なくしたという構成は唸ってしまう。

https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202002240000787.html

すぐにSEVEN/7の話をしてしまうんですが、
「やりたいことが見つからない」と言っていた彼らの2019年から続く、きっと「やりたいことを見つけた」姿がものすごく好きで。
それがきっとそれぞれ別々で探して歩いてきたからこその結論なのがすごくすごく素敵なことだと思うんですよ。

その中で、おみさんのファンとして今回ショーケースに臨んだ私は、おみさんのパフォーマンスについて書きたいと思う。

私にとって、Who Are You?という今回のツアーの軸となるアルバムは存在が大きい。
いや、もっとも前回のアルバムFULL MOONも私にとってはとても大切で大好きなアルバムなので、もうただただソロアーティストとしてのHIROOMI TOSAKAがものすごく好きだというだけの話かもしれないけど。

アルバムについては、以前ブログを書いた。

http://tsuku-snt.hatenablog.com/entry/2020/01/22/151058

相変わらず、たぶんただただ好きだという理屈を捏ねているだけだし、
あと一緒に観に行った友人たちとも話していて見え方がそれぞれ全然違ったので、「わたしにはこう見えたよ!」って話としてお付き合いいただけるととてもうれしい。

 

「自分は誰なのか」ともう一度このタイミングで自身に問い掛けるおみさんが、ステージ上でどんな答えを出すのか。
それが私の目にはどう映るのか。
ただただ、ドキドキしていた。

最初の数曲、ほとんど息を飲むように見守っていた。
ある意味で、最初にWho Are You?がくること、そしてそのアンサーソングとも言えるようなNobody knowsがくることはある程度覚悟していた。
これは、アルバムでもわりとすぐにアンサーが出されるというのがある。

これは、完全に私の妄想だけど
Nobody knowsってなんというか、「答えは出たよ」という曲でかつ「でもそれは内緒(誰も知らないよ)」という曲に思えて仕方ないことがある。
私は、それがとんでもなく嬉しい。分からない、知らないというのがワクワクするというのもある。
ともあれ、なので「誰も知らない」結論が出た、と出した上で、答えの一つを提示するような演出というのは、ある意味で、とても腹落ちしていたし、その時点で私の楽しみは更に高まった。


おみさんの曲ってメッセージというかストーリーが強くて
MVもだから大好きなんだけど、まるで一つのお芝居を観るようだ、と思いながら過ごすことが多い。
だからこんなに、好きなんだとも思う。

ところで、今回ツアーのイメージカラーはビビッドピンクだ。
これについては、意味があるとおみさん自身がインスタの質問タイムでいつだか言っていた。
「ツアーを見たらなんでこの色かわかる」というコメントがあった。
それを始まる直前友人と話していて、なんでだろう?とふと改めて考え、ずっと2回目はそれを考えながら見ていた。
そんな中、客席の演出ライトが青になり赤になり、それから紫、ピンクと変わった時これか!と思った。

青は初めにソロとして出したアルバムの色で、赤は物議すら醸した「俺は俺」の色だ。
それが混ざり合ってピンクになる。
それは混ざり合った、とも思うし重なった、とも思うし別の何かになった、だとも思う。

なんか、その辺りからぞわぞわと鳩尾の辺りが騒がしかった。
内緒だと隠された彼自身の色と、既に今まで色んなものを見せてくれた彼のエンターティメントの色が溶け合って新しい色になる。

そこからの恋愛曲とLUXE、BLUE SAPPHIREの流れは、本当に……本当に……。
恋愛曲のNL→ODの流れは分かる気もするのだ。ただ、そこにWLが入り「混ざり合った」気がした。
WLは個人的にDSと同じくおみさんのソロ活動のスタートだったという印象がある。これは、LUXEリリースくらいで好きになった人間の感覚だから、実際には違うのかもしれない。
ともあれ、WLがソロアーティストとしての「登坂広臣」を打ち出したように思える私にとって、ここ最近の楽曲と、ソロとしての歩みを繋ぐようにも思えた。
それと交互にLUXEという「俺は俺」という曲を打ち出してくる構成……。いやもう、こんなん、強い。青と赤が混ざって、というのはある意味で「個」と「エンタメ」の登坂広臣がそれぞれ混ざって境界がなくなるような気がして、それから「BLUE SAPPHIRE」がやってくるのが……。

BLUE SAPPHIREはタイアップだったこともあり、三代目のもともとのターゲット以外にもファンを増やした曲だ(Mステ出演時の普段のファン以外の方の楽しそうなツイート観るのめちゃくちゃ嬉しかった)
その曲がこのタイミングで高らかに歌われることで、ソロとしての強さに震えてしまった。し、演出もめちゃくちゃ格好良いし、大好きなんですよね……ふるむんからの連続としても単独としても楽しませてくれる、そういうところ大好きだ。


そして、ゴリゴリのエンタメ構成の直後やってくるしっとりと聴かせるOne Way Love、With youの流れは…!!
私はおみさんの恋愛が軸にある人間性というのにものすごく興味があるんだけど、
本当に感情の響かせ方が魅力的すぎた……それこそBARとかでしっとり聴かせたら謎の歌い手として事件が起こるレベル(?)
恋の切なさを歌い上げるときの本当に苦しそうな表情を見ていると表現者登坂広臣の雄弁さ、魅力に心がぶるぶるなる。
いや本当におみさんまたお芝居やって欲しいなあ……表情の中に込められた感情の豊かさが大好きです。やっぱり。

そして、そんな万華鏡のように様々な表情を見せてくれた中でのアンコール。
CHIN BREAKER、HEART of GOLDと見慣れた……これは一つには私が好きになったきっかけに大きく関わる二つの曲だからっていうのも絶対にあると思う……いつものおみさんの格好良さときらきらをこれでもかと味わいながら、あーーー好きだなあとおもっていた。
「誰かの笑顔にどれだけ救われたことがあるだろう
俺もそんな存在になりたいのさ」
ってもう……もう……そんな存在だよ……。

何回聴いてもHEART of GOLDが大好きです。
前にしか進まない、どうしたって、と歌いながら、なんだろう、手を引かれてるみたいな気持ちになるというか、生きよう、って素直に思ってしまう。
し、黄金のライトがきらきらひかる中で歌うおみさんが綺麗で綺麗で、そして幸せそうで……。いやもう、未来、どんだけだって良くしていってやらぁ、みたいなこと、思っちゃうじゃないか。


おみさんのSHOWCASEに関してのインタビューで、いつか「ソロ活動の時はここから10年の活動の布石のつもりで考えてる」と言っていたことが印象に残っている。
そう思うと、この「名刺」は彼のエンタメの「これから」へ向けた堂々とした宣言のようにも思えた。
それは、FULL MOONの時に感じた「登坂広臣という生身の人間」への印象はどちらかというと薄れて、「エンターティナーの登坂広臣」を感じさせた。

だけどたぶんこれも「ピンク」の一部でしかない。
赤も青も混ざって、どこからどこまでが作られたものでどこからが彼自身なのか。
そんなことをつい考えてしまうけど、たぶん答えは「だれも知らない」のだ。
だからきっと、こんなにも惹かれるんだと思う。どうしようもなく、魅力的なものが詰まってる彼をもっともっと知りたいと思ってしまうから。