えす、えぬ、てぃ

好きなものの話をしよう

アルバムFULL MOONを聞いてびしゃびしゃに泣いた話

登坂広臣さんのことを、好きになる未来というのは全く想定していなかった。
全く、とか言うととんでもなく失礼なんですが、しかしハイローを観ながら雨宮兄弟を見て、うっわ、人気ありそうー分かるーでも私は別にそんなでもないかなーアクション格好いいねーくらいの感覚で見ていたのです。
あ、誤解ないように言っておくと、それからレッレを見て気が付けば雨宮兄弟のことを思い出して月一で胃を痛めて眠れぬ夜を過ごすようになってしまったんですが。そろそろああいう夜なくなってほしい。2人じゃなきゃ越えられなかったどころか君らふたりのおかげでこちとら越えられない夜が増えたわ。

まあ、それはさておいて。

8月8日に、そんな登坂広臣さんのコンプリートアルバムが出た。FULL MOON。その感想を、書きたいと思う。

元々、三代目J soul brothersのアルバム、FUTUREの登坂さんのディスクを聞いて、ああこれについて話したいことがある、と思った。
HEYという曲だ。あの曲が、私にとって、物凄い衝撃だったのだ。

どこまでも伸びていくような音と、楽しそうに歌う姿が目に浮かぶような声と。
なのに、どこか、ヘイ、と叫ぶ声が寂しくて寂しいのに聞くこちら側がいることを信じてくれているようで。

 


登坂さんに興味を持ち出してから勧められた写真集「Nobody knows」を買った。エッセイに興味があったし、綺麗な写真をたくさん観れるのはいいなあと思った。
エッセイを読んで、なんて不器用な人なんだろうか、と思った。思ったし、彼が歌という表現を手にしていることに良かった、と思った。変な言い方だけど。
どのタイミングでだか覚えてないけど、ホットロードの時に語ったお芝居に対しての発言を聞いて、元々私は少し誤解していたのかもしれなかった。お芝居が好き過ぎて、過剰にその辺りに反応してしまうきらいがある。
だけど、エッセイを読めば、あるいはホットロードをはじめ、実際にお芝居してるところを見れば、ただただ、不器用なその人が見えてくるような気がした。
あんなに綺麗な顔をしてるのに、なんて不器用なんだ!と思ったりして、いやしかし、顔立ちと生きやすさはまた若干違うよなと思い直したり。


ともかく、なんだかビックリしたのだ。
社会に出てからの漠然とした不安感や家族への愛情とか、伝え方がうまくいかずに仲間内でぶつかることとか。期待の大きさに押し潰されそうになる不安感とか。
もちろん、立ってるフィールドなんて全然違うし、それこそ、LUXEな彼に親しみを覚えるというのも変な話なんだけど。
ただストレートに色々なことを表現する登坂さんに興味が湧いた。そして、だけど格好いいところに憧れた。


LUXEが発表された時も、痺れるような衝撃を受けた。自分を燃やしたり粉々にするそのMVにもだけど、何よりナイフを向けられて血塗れになろうが一切衰えることのない眼光の鋭さに。そして、批判がこようがこれが俺の気持ちと言ってのけてしまうその姿勢に。


LUXE、大好きなんですけどね。これが俺だよって中指立てて、痛みも引っくるめて立って進んでいってしまうところとか、たまらなく励まされるんだけど。
私は、もういいよって言われたくないのかもしれない。ぶっ倒れるまで走り抜けたいと思ってるのかも。だから、まさしくそれを体現するような彼の楽曲が好きなのかもしれなかった。登坂さんには倒れないで欲しいけどね!!!!!!!!!


FULL MOONは月の満ち欠けをイメージして作られていて、それぞれバラエティ豊かな曲がイントロ、アウトロ含めて14曲収録されている。ポップな曲も幸せそうな曲もバラードも。音楽のジャンルに詳しくはないけど、その色とりどりさは素人でも分かるくらいだ。
今、聞いてもらう曲だと三代目のドキュメンタリーSEVEN/7で言っていた。自分の曲はずっと聞いてもらい続ける曲というよりも、その瞬間、今、に合わせた曲だと。


じゃあ、そもそも、彼の今、を反映した曲なのだろうかと心臓がキュッとするような歌詞が若干多めなことにどきどきしてしまうんだけど。もっとも、作詞作曲の全てを登坂さん自身が担当しているわけではないのでそれは全く邪推なんだけど。


兎にも角にも、なんでこんなブログを書きたくなったかといえば、本当にHEYがあまりに幸せそうだったからだ。声の限りに叫ぶ、その曲がたまらなく愛おしかったからだ。
言葉だけじゃ足りないことを全て詰め込むみたいな歌声が好きで、それを聴いてるとムズムズして、幸せな気持ちになったからだ。


なんか、表現ってたまらず駆け出したようなところがあって。コップの水が溢れるように(これは私の大好きな漫画、ハチミツとクローバーの言葉を借りてるのだけど)溢れたそれが形を持ったものだと思っていて。


上手に歌うことよりも、その時いかに自分の気持ちを込められるかに賭けて歌いたいのだ、と言っていた登坂さんがこの曲を歌うことが、たまらなく、とんでもなく嬉しかったのだ。
ああ彼の表現が好きだと受け取れたことがとんでもなく、幸せなことのように思えたのだ。


彼はこれからも歌い続けるんだろう。
いつまで、それを自分が受け取り続けるかは分からない。いつかは、ああアルバム出たんだ、とぼんやり聞き流す日が来るのかもしれない。
感情も表現と同じようにその時にしかないものだから、それは分からない。盲目的にずっとを信じられるほどは私は私を信用していない。


だけど、ヘイ、と叫ぶ彼の歌声が届く位置にいる限りその歌声に耳を澄ませていたいと思う。
そしてそれがなるべく長く続くことを願ってる。本当にアルバムリリースおめでとうございました!!!!!