えす、えぬ、てぃ

好きなものの話をしよう

崖っぷちホテル ホテルインヴルサが起こした大逆転

終わってしまった。崖っぷちホテルが、終わってしまった。
今とんでもない喪失感に駆られている。
でも、ツイートだけで発散できずに、ひとまず、ブログを書いている。


3ヶ月。
3ヶ月間、私はこのホテルが大逆転、していくまでを見てきた。その一つの大逆転劇が終わったのだ。

 

 


無事、花火大会とお祝いパーティーを成功させてホテルインヴルサ。
その、成功を見守る宇海さんの表情に不安を感じなかった視聴者が果たしているだろうか?


宇海さんたち明るい系民族は、実は思ってることを口にはしてくれない。ストレートな感情表現、なんて、私たちを気遣ったパフォーマンスでしかなく(なんていうと少し大袈裟だけど)本当に言いたいことはいつでもそのぎりぎりまで言ってくれないんだと思う。


そして、その予感は最終回的中する。


夢を、現実にしてしまった怖さ。
最近好きだ、と思う作品はどれもハッピーエンドか分からない、という話を少し前にツイッターでしたことがある。
生きているから、例えその瞬間が幸せであっても、あるいは不幸であっても、それは瞬間でしかなく、彼らは生きていく。
最近好きだ!と思うのは、そんな、あ、この人たち生きてる、と思う作品ばかりなので、ジャッジが出来ないのだ。


夢を現実にしてしまう怖さ、と聞いて私が浮かぶのはそんなことだった。
この瞬間に終わってしまうなら、それは人生最良の最期の時だ。だけど、続いてしまうなら?
それは、いつか、思い出して切なくなる幸せ、に変わってしまうかもしれない。
あるいは、行き過ぎた幸せは、これ以上はもうないんじゃないか、と過ぎる不安と背中合わせなのかもしれない。

 


わっかんないっすけどね!
宇海さんが言ってたのはちょっとズレてる気もする!うん!ズレてるかも!
夢を現実にする、という意味では!!
ただ、その、ちょうど今日(6月17日)放送のぼくらの時代でも、似た言葉を話していて。
一生、これを好きでいられるのか楽しめるのか、続けたいと続けられるのか、と。
カレー研究料理家と役者たちが話していて。
あー、そうだな、とおもったばかりだったので。


永遠なんて、ないのだ。
そして、それをとんでもない苦しみと一緒に実感するのは、得てして、とんでもない幸せの時なのだ、

 


そして、それを受けて、支配人が夢の場所だって言ってくれたから、と背中を押して見送ること決めるじゃないですか。もう、そんなんさ、泣いちゃうんですよ。


夢、を背負う人たちはどれだけ苦しいんだろう、と他人事みたいに考えちゃう時があって。
そんな期待とか、ともすればやっかみとか、綺麗なものだけ塗り固めて、そういう、なんか、しんどい思いをしてる、夢の、まあ、ここでいうならたぶん職業・仕事の人たち。
それを総支配人は宇海さんがそう私たちのことを言ってくれるなら、って言うわけじゃないですか。


これは、とんでもないことですよ。
いつだか、宇海さんが言ったこの人化け物なんじゃないか、ってめっちゃ思ったよ。
そんなしんどいことを、引き受けるって言うんだよ、この人。


夢があまりに理想的な幸せの形で叶い過ぎたことをこわい、といった宇海さんに、
じゃあ私たちがあなたにとっての夢の場所でいますよ、と宣言すること
だから、あなたは安心してください、と笑うこと。


3ヶ月前に、理由をつけて怖い、不安だと言ってた総支配人がですよ?

 


あなたの夢は守るって、笑ってるようなもんじゃないですか。
そんな怖くて辛いことを、やってのけるって約束するんですよ。しかも、それがここでみんなとならできるって言ってるんですよ。


あの、崖っぷちホテルは、ほんと、夢のように優しいと思うんです。
綺麗事、と切り捨ててしまえばそれまでなんだけど、私にとってはこうであれ、の優しさがたくさん詰まってるです。
だから、さなさんが口にした夢の場所であり続ける、それはみんななら出来ることだ、っていうのはとんでもなく綺麗事かもしれないけど、
こうであってほしい夢で、そんで、「当たり前のこと」なんじゃないか。


だって、ホテルインヴルサは夢の場所なんだから。

 

 


そして、宇海さんを送る会のみんなのシーン。怒涛の勢いで泣くなるポケットティッシュ。泣いてるのを誤魔化す為に食べ続けたイカのツマミ。(関係ない)
いや、もう。
あの、ほんと。

 


正直に言うとね、最初、時貞さんたちのシーンしんどかったさ。明確な悪意で、いやもう、それは協力しろよって苛々したさ、分かっててもね、やなんだよ。どうせ仲間になるんだろってわかってても!
でも、不安から捻れてふて腐れていた、彼らのこと思い出しながら泣きながら、言った言葉聞いてさ
もう、、もれなくこの3ヶ月思い出すじゃないですか。
そもそも、宇海さん見送るって聞いて、レクチャーするってみんなが立ち上がったとこからもうこっちの涙腺は大変ですよ。
あんなに格好いいのある?


ヒーローか?
ヒーローだわ。


前も書いたけど、彼らは職業ドラマに出てくる格好いい職業人なんかじゃないのだ。なかったのだ。
なるべく息潜めて、ミスだけしないように、毎日おもんないなーって思いながらごろごろしてお金だけ貰えりゃいいのにな、って思ってた、私たちとよく似たひとたちなんだ。

 


そのひとたちが、立ち上がった姿の、なんて格好いいことか。


いやそうだよね、半端なことできないよね。
そんで、このまま立ち止まってなんていられないよね。教えられたこと、気付いたこと、考えたこと全部伝えるし、彼ら自身だってこれから、どんどんもっともっと、ワクワクし続けるんだよね。
だって、彼らは、生きてるんだから。
この3ヶ月を、とんでもなく幸せだって思ってるんだから。彼らがこれからも笑いながらず!ーーーっとワクワクし続けるのは、その3ヶ月がどれだけ幸せだったかの証明に他ならないのだ、きっと。

 


もう、送別会、宇海さん聞いてる?聞いてるよね、ってずっと思ってたよ。なんなら、先週からずっと思ってたよ。
ねえ聞いてる?!!!!これ、全部、あなたがきっかけをくれたことだよ!!!!!!!


きっかけをくれて、それぞれが共鳴して少しずつ起きた奇跡なんだよ。

 


あ、そういう意味では、あの密着取材すごく良かった。総支配人にスポット当てて最高だった。宇海さんがきっかけの引き金ではあるけど、全部が相乗効果で高まりあった結果だし、
何より、総支配人があの場にいる全員を想ったからこそ、生まれた引き金で相乗効果なんだから。

 


それでもどーーーしても宇海さんもインヴルサに残ってくれることを、私は往生際悪く、願ってしまったんですけど。
でも、お客様より大切になってしまったあの場所であの人たちと働けない、ということはわかる気もするし、


ワクワクも、楽しいも、一つに絞らなきゃいけない、なんてことはきっとないし。

 


なんか、大丈夫だ、なんて笑ってしまったのだ。気持ちを、たぶん寂しいとか行かないでくれって思う、視聴者の気持ちもぜーーーんぶ引っ括めて、きっと総支配人はその選択を選んだに違いないんだから。
ホテルインヴルサは、たしかに奇跡的な大逆転を遂げた。
そして、その大逆転は紛れもなく人と人が起こしたことに違いないのだ。

 


なんとも、幸福で、元気が出る最高の3ヶ月間でした。
本当に、ありがとうございました。