えす、えぬ、てぃ

好きなものの話をしよう

インポスターな夜に才能の話など

才能なんてないととうの昔に知っていた。 そこそこは出来るけど、そこそこしかできずに 躓いてばかりだけど、誤魔化せば埋没できる。 そういう半端な自分の個性は世間に溢れる英雄譚や天才の物語とあまりにかけ離れていたし、まあそうだよなあ、と思っていた…

ケイコ 目を澄ませて

当たり前ということは物凄く難しい。 それは「ただ当たり前の日常を送ることが」なんてことではなく(もちろんそれだって難しいんだけど)何をもって当たり前とするのか、という話な気がしている。 なんと言葉にして良いかわからない映画だったけど、強烈で…

THE FIRST SLAM DUNK

好きなものがないと、この世はちょっと生きにくいよなあとよく思う。 時々それが行き過ぎて「かと言って好きなもののために生きてるって思うとそれはそれで足元がふらつくよな」なんて考え込んでしまうけど、それでもやっぱり、この世は好きなものがないとち…

チョコレートな人々

仕事をしていて自分にうんざりすることがある。普通がわからなくて、その度に頭の中で好きなラッパーの歌う「普通でええねん、重すぎる枷」という言葉をお守り代わりに口の中で転がす。おかしく見えてるんだろうなあと思いながら思考のずれや動き過ぎる頭や…

自家中毒ヤケクソ日記

春だなあ、と思う。変化も大きくて天気も不安定で、何かを始めたい気持ちにもなるしじゅくじゅく溜まった疲労も気になる。 ところがよくよく考えると 世間じゃもう春というか初夏に片足を突っ込んでるらしい。 衣替えという概念を社会人になってほぼ捨てた。…

きらめきが生まれる場所を見た

盛大なオフ会に参加してきた。 この文を書こうと決めて書き出しを何度も考えていたけど、どうにもしっくりこない。 それはあまりにも私が今まで参加してきたオフ会とかけ離れていたからかもしれない。 オフ会とは、本来、オンラインで好きなものを通して出会…

Missing 混血のハッシュタグ

すごく今更だけど、Missing 混血のハッシュタグの感想を書こうと思う。書こうと思うんだけどいかんせん、「今更」である。 3月の上旬に上演されたENGの「Missing 混血のハッシュタグ」。もう気が付けば1ヶ月、なんなら2ヶ月弱過ぎてしまっている。 ただ感想…

たりない僕らは情熱を求める

たりないふたりのことはずっと気になっていた。Creepy Nutsにハマり、たりないふたりがなければ、松永さんがメディアでラジオについての気持ちを口にすることはなかっただろうこと、「例のふたりと重ねたたりないとこ」と土産話で歌われたユニット。そういう…

祝日比谷野音100周年 Creepy Nutsのオールナイトニッポンpresents 日本語ラップ紹介ライブ2023 in 日比谷野音

新緑の匂いがする。野音のライブにこのラジオを通して行く機会があった。2回目。改めて思う。 自然の中にある音楽堂はその季節の匂いだとかそういうものを感じやすくて、その分、記憶の解像度があがる。たぶん、私はあの濃い緑の香りを今後の生活の中で嗅ぐ…

MELT

USUさんのアルバムを出すという知らせが嬉しかった。 その理由は2つあって、1つ目はこのアルバムの終わりを担う「GHOST」だ。 Creepy Nutsのオールナイトニッポンの0時代からのリスナーにとってはこの曲をきっかけにUSUさんを知った人も多いかもしれない。 …

今夜すきやきだよ

生きていくのが大変すぎる。 物価は上がるし仕事は終わらないというか終わったと思ったら新しい仕事がくるし。 好きなものは変わり続けるし、不意打ちで投げられた言葉が忘れられた言葉を思い出して夜中起きてあれはなんだったのか考えちゃうし。 将来設計な…

車窓を覗き込む

最初に文を読んで衝撃を受けた日を覚えている。それこそ、当時毎朝楽しみにしていたNHKのあさイチで特集されてた「いのちの車窓から」。 まだ当時は「星野源を好きになるのは危険だ」と思っていた頃。大ヒットを記録した、とか大反響の、という言葉とともに…

RAPNAVIO

自分で幸せになった方が良いな、と思った。 なんの時かは分からない。だけど最高の音楽に手を挙げ身体を揺らしながらふとそんなことを思った。自分のことは、自分で幸せにした方が良い。たぶん、その幸せが大事だし、たとえば私も自分の大切なひとが自分を幸…

表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬

深夜、会話から逃げるようにイヤフォンを耳に突っ込んで布団に潜り込んだ。指が何度もタップし慣れたアプリを叩き、再生ボタンを押す。 ほとんど会話は覚えてる。それでも今この瞬間あの会話を聴ける場所に逃げたかった。 深夜バス用に買った半ワイヤレスイ…

脳みそを褒め称える

自分語り、しかも、自分を褒め称える自分語りがしたい。 私に限らずだとは思うけど、3年前くらいから調子をずっと崩していた。 眠れないし逆流性食道炎になるしそうなると生活全部がどうでも良くなるしでもその気持ちのままで過ごすと身の回りの人との関係も…

よふかしの話

ラジオが終わった。 意外にケロッとしてる自分とそりゃ、あの放送だもんと思う自分とに挟まれながら私の生活の中にあったラジオの時間の一つが終わったことを噛み締めていた。 散々卒業発表から大騒ぎしてきたし、なんなら当日だって自分の感情がどっちに転…

そばかす

不思議で居心地の良い映画だった。不思議、と言っても何か、それこそSF的な出来事が起こるわけでは無い。 どころか、劇的なシーンが立て続けに起こるような映画でもなく、わりと淡々と映画は進む。ついでに言えば、断片の「何かがあった」が描かれても、それ…

エゴイスト

生まれて、生きてるだけで詰みじゃない? この間ある人にカフェに呼ばれ、相談に乗ってる時に言われた。かなり怒ってるようだったし、傷付いてるみたいだった。私は曖昧に返事をする。 生きてるだけで大変だ、と思うんだけど、それを安易に肯定するのもまず…

Hiroyuki Morisaki AGRIman SHOW

人生で生まれて初めて「この人になりたい」と思ったひとを覚えている。私は常々自分が人生の主人公でいたいやつなので、「誰かになりたい」と思ったことはほぼない。 「あの人のようになりたい」はある。 「この人に負けたくない」は日常茶飯事。 だけど、滅…

オールナイトニッポン55時間スペシャル

「55周年中途半端」と記念ジングルの中で歌われたその1年間が私はたまらなく楽しかった。 あの夜を覚えてるの印象も強く、間にあったイベントや、源さんと若林さんのジングルと忘れられない1年になったニッポン放送の記念イヤー。 そこからの今回。55時間ぶ…

FROLIC A HOLIC feat. Creepy Nuts in 武道館 なんと括っていいか、まだ分からない

なんだったのか、誰もわからない。 観客どころか出演者もスタッフもたぶん、なんだったのか分からない。コントだしライブだしなんならラジオだし、でも、なんだったんだろう。なんだったか分からないのに、とんでもなく、とんでもなく面白くて嬉しくて、ずっ…

東京03 FROLIC A HOLIC feat. Creepy Nutsが楽しみ過ぎる

やったー!!!!!!!!!フロホリだ!フロホリです!やったー!!!!!!!! 武道館が大好きなんだけど、武道館でまた好きな人たちが観れるという現実に震えていますこんにちは!! 本当にとんでもなく楽しみにしていて、楽しみすぎて月曜から毎日テー…

言葉の毛布がほしい

落ち込む時、寝れない時、ラジオを聴く。 そしてここ数日、絶妙な距離感、ぎりぎり「私は部外者」なところでドタバタとしていて、その中で「こいつぁラジオを聞くしかねえぞ」と思った。 ラジオを聴き続けた。 ずっと、音がなくなったら無理だな、と思ってい…

HIGH FIVEの夜 2023.02.19

頭空っぽにして踊って手を挙げて。ああいうのが好きなんだよなあと思う。 そして厄介なのは、私は「好き」や「嬉しい」を言語化したいのである。したいけれど、あの夜のこと、あの夜、ぐるぐると頭に渦巻いていたものは言葉からほど遠くて、だというのにやっ…

春に嵐のたとえもあるぞ

思い出すことがある。 終電か、その1.2個前の阪急電車。 仕事は終わってないが、このまま残れば楽しみにしていた芝居に向かうための深夜バスに間に合わない。いやなんならこの時間に帰っていて間に合うのかも既に分からない。朝イチに新幹線に飛び乗るか。少…

日食なつこというひと、音楽

「この音楽いいよ」 そう言われるのが好きだ。そうして音楽に出逢うのが好きだし、そうして出逢った音楽はだいたい、軒並み大事になったりする。 今回出逢った音楽を教えてくれたのは、学生時代の後輩だった。 色んな鬱憤を晴らすように美味しいものをつつき…

ご飯が美味しい

このブログからまもなく早1ヶ月。 心身共に衝撃を受けてそれ以上に私生活が年末からしっちゃかめっちゃかで「痛くないところがない」みたいなネタにでもしないと無理な日々が続いていた。 不調をそのまま言葉にしないと無理だし、かと言って言葉にしてる自分…

マスター/先生が来る

何が好きって多分、音楽や映画の表現だったんだと思う。 マスター、先生は、大酒飲みで音楽を聴き、映画が好きだ。最高に格好良く、大切なことを教えてくれるし喧嘩も強い。子どもだから、学生だからと適当に流さずに信じて話をしてくれる。 先生は、圧倒的…

Reassemblyからのうちで踊ろうの再考

1分くらいの音楽から始まった「うちで踊ろう」。その曲がどこに続くか、続いたかということをずっと考えている。 あの曲が最初に生まれた頃。 色んなことが言われたけど、少なくとも(ラジオなどで源さん本人の言葉に触れたからというのもあるけど)私にとっ…

マットレスという船

寝るのが苦手だ。 苦手というか、そもそも寝ることについてそこまでの執着がないし、寝るよりも動いてる方が楽しいし、寝て嫌な夢を見ることも多いので優先順位が下がる。そういう意味で「寝れない前提」がある深夜バスの方が安心してむしろ眠れる。かと言っ…