えす、えぬ、てぃ

好きなものの話をしよう

ボイルド・シュリンプ&クラブが楽しみだという話

ボイルド・シュリンプ&クラブの配信がある!やったー!!!
苦しくなるようなニュースが多い中で、嬉しい告知があった。


「芝居が終わったら観客の心の中で芝居が始まる」をモットーにしている大好きな劇団6番シードさんの最新公演の配信が決まった。
今、様々な声があって、判断があって、その中で私はただの観客なので観たいということ以外の言葉を持ち得ない。
なので、時勢がどうこうではなくて、ただただ、観たいお芝居が観れるんだやったー!ということを言葉にしておきたい。言葉にしておけば、忘れない。ブレたとして、思い出せる。

今公演、劇団員以外の客演の方にも好きな方が多く、また6Cさん(劇団6番シードさんの愛称、以下、この表現をこのまま使う)で出逢うまだ観たことない役者さんにも毎度わくわくさせてもらってきたから、とんでもなくはしゃいでいる。好きな人たちのお芝居は私にとってモンスターやレッドブル以上に効果抜群の栄養ドリンクである。


そして何より、私は冒頭書いたことをモットーにしている6Cさんのお芝居が大好きだ。
観終わって、それから物語が始まる経験を何度もしてきた。
6Cさんの物語の多くは突拍子もない設定というよりかは丁寧な会話劇だ(あえていうならその会話劇は超高速会話劇だったりするけど)
ただ人が出会って、物語が始まる。


そして基本的には笑いがたくさん散りばめられている。コメディ、ということも多い。


ところで私は、笑わせてくれる脚本が好きだ。
これは完全に好みの話だけど、コメディやギャグがたくさん散りばめられた話が好きだ。笑えるという意味で「面白い」は最強だと思う。
だって笑ってると楽しくなるし。
さらに言えば、6Cさんのお話はコメディな上にヒューマンドラマだ。


こういう説明するときに、ヒューマンドラマ、と便宜上使うけど、これって結構難しいな、と思う。
なんか、だって、人が出る時点でヒューマンドラマでは…?とふと疑問が湧いてしまうのだ。でも、確かに自分がヒューマンドラマが好きな自覚がある。人が出ていてもヒューマンドラマ、には分類できないな、と思う作品もある。
とりあえず、ここで言いたいのはひとりひとりがわりと、しっかり生きてるということだ。
しかも、変に物語を背負ってとかではなくて、ただただ、生きてる。
きっとこの人は今日、布団から身体を起こしてご飯を食べたり歯を磨いたりしてここにいるんだな、と思う。もちろん、当然、役者さんの話ではなくて、その人が演じてる役の話だ。


6Cさんの作品の中でも特に私にとって大切な公演がふたつある。
2015年に上演された、「ふたりカオス」と、2016年に上演された「Life is Numbers」という作品たちだ。
私はその時、息を潜めるように、呼吸を忘れるように、舞台を、観た。
生の生きている人の強さと美しさがそこにはあった。

人と人が出会ったことで奇跡は生まれる。
だとしたら、舞台のあの瞬間瞬間、瞬くそれは、たぶん、奇跡そのものなんだと思う。



とはいえ、じゃあ生で観ないと体感できないのかというとここがまた難しい。
間違いなく圧倒的に、絶対、そりゃ、生がいい。というか、生と映像はまた違うものなのだ。私は喫茶店で飲むコーヒーも家で淹れるコーヒーも好きだけど、そういう話というか。同じコーヒーだけど、その二つは絶対的に違う。全く違う。でも、家で淹れるコーヒーも美味しい。
なんなら、私は6Cさんのお芝居に映像でも何度も、嬉しいくらいに出会ってきた。
そもそも、最初は別の劇団の役者さん目当てでDVDを見た。観て、そこに生きる人たちがコロコロと表情を変え、笑い怒り生きてる姿に惹かれて、劇団6番シードさん自体が大好きになったのだ。
生きている人間は最高だと思う。変わる表情とか、呼吸とか。そんな瞬間、人に出会える劇団6番シードさんが好きだ。



そして、劇団6番シードの代表である松本さんの脚本が大好きだらこそ、私は毎公演楽しみなんだと思う。大好きだ、と思う理由は先程書いた、笑えるという面白さは最強だということが一つ。
それから…間違いなくこれが大きい…一番核というか、ああだからだ、と実感した公演があった。

2018年に上演された「劇作家と小説家とシナリオライター」という公演である。
タイトルの通り、物語を描く人々の話だ。劇作家、小説家、シナリオライターが協力しながら一つの物語を描くことでお芝居自体が進んでいく。
その中、大切なシーンで登場人物である劇作家が言うある台詞が私は大好きだ。そしてだから松本さんの脚本を信じているし、大好きなんだと思う。


私がお芝居を観るのは、その時が一番、人間を好きだと思う瞬間だからだ。
そして、そんな私にとってあのワンシーン、人がそこにいて生きて、動くことで変わるということを信じた松本さんの言葉が、たまらなく好きで、だからこそ彼の描く作品を大好きだと思うのだ。


なんで長く書いてしまったけれど、明日から幕が開く「ボイルド・シュリンプ&クラブ」がともかくとんでもなく楽しみだというそれだけの話です。
大好きな劇団の、さらに大好きな人たちが客演で出演しているその舞台は、稽古期間のツイートを見ながらとんでもなく楽しみにしていたものなのだ。そしてその舞台を観たら、私はまた、ああ人間好きだなー!と大きな声で叫びたくなる、そんな気がしている。