えす、えぬ、てぃ

好きなものの話をしよう

Who Are You?

 


※ショーケースでWho Are You?のMVの続きについて語られそうだったのでその前にアルバムまでで感じた感想を思うままに書き殴ってます。
※長いし要約すると「おみさんめちゃくちゃ格好良くて好きだなあ!」ってだけのブログです。

 

 

ライブで、歓声を聞くたびに怖くなる。
これはもう全くもって、私の悪癖としか言いようがないけど、何度行っても慣れない。なんなら自身もその歓声を上げながら。
いつも、ふと冷静になってしまう。
この歓声は、彼らは怖くないんだろうか。

人の愛情を無邪気な善意って呼べない人間だからかもしれない。でも、やっぱりどうしたって強過ぎる感情は怖いと思うし、
偶像崇拝というか、投影できてしまう、熱狂に晒される彼らは強い、と思ってしまう。
それはもしかしたら私こそ「投影するファン」だからかもしれない。彼らの表現や、発言・行動に自身の在り方を照らして軌道修正したがる。
それは、酷く歪んだ「好き」なんじゃないか、気持ち悪くないか、と自問自答しながらもこうしてるから尚更に、怖くないのか、と、好かれててしんどくないか、と変な気持ちになるのかもしれなかった。

そんな私にとって、今回出たアルバムWho Are You?のコンセプトメッセージは心臓のど真ん中を突き刺すものだった。

「自分自身ですら本当の自分を見失いそうな時もあったり、
メディアやファンの方々が理想として作り上げた自分の存在に、

誰なのか?と思う事も、
戸惑うことも過去にはありましたが、

どの面も全てが自分自身であり、
自問自答して真の姿を探していくストーリー。
そんなアルバムとコンセプトになっています」


いやもう、こんなん、ねえ。


おみさんのことを好きだ、とハッキリ自覚したのはFULL MOONの静岡公演だった。
ただ、まあわざわざ遠征してまでライブを観に行くわけだから、ここでいう好きだ、と自覚というのは私にありがちな「もう降参!」って叫びたくなるくらい自分が相手のことを好きだ、と観念した時、だ。
そもそもその時に手元にはアルバムも写真集も買ってたわけで、どう考えても好きだろうと呆れてしまう(まあこの癖はもう直らんとも思ってるけど)
なので、少し更に遡って最初に好きだ、と思った時について考える。
たぶん、それはLUXEのMVをYouTubeで見た時だと思う。もっと遡れそうな気もするが、鮮烈なまでに惹かれたのはLUXEのMVだ。


https://youtu.be/kXKonpal-iw


荒々しい曲調と、過激な映像、それから格好良いダンス。
あの曲とMVが発表された時のそれまでのファンの一部からの批判の声も含めて「完成」されてると思った。
彼に向かう悪意も、なんなら好意すら含めて「So what?(だから何?)」と言ってのける登坂さんの作品にめちゃくちゃ惹きつけられた。


推し、という存在は「ものすごく自分に似てる」か「全く似ていない」存在だという話を以前友人がしていた。
それでいくと、私にとって登坂さんはどっちなんだろう。なんとなく後者な気もする。私は登坂さんのその強さに惹かれたし憧れた。


こうなりたい、と思った。


そしてそんな人がFULL MOONで優しく慈しむように音楽を奏でるのを見てたまらなく好きだ、と思った。語りかける言葉に嬉しくて幸せで、ああ好きだなあこの人の作るものをなるべく長く好きでいたいなあと思ったのだ。


少し前、こんなことを呟いた。


https://twitter.com/tsuku_snt/status/1215275952906747908?s=21


同じひととして、そして決してずっと正しくて格好良かったわけじゃなくて迷ったり悩んだりしながら歩いてきたおみさんが、大好きだなあと思った。
(私、アナザースカイの時に日本に帰りたくねえなあって言ってたって語ってくれたエピソードがめちゃくちゃ好きです)


そんなひとが、自分を見失いそうになる時もあった、ということに触れながら、それをコンセプトに作ったアルバムですよ。
そんなん、もう、やばいでしょ。
分かってたし、何度もなんなら悩んでも進んできたことを口にしていたはずなのに、改めてガツンと殴られたような気持ちになった。


それから続々とMVがアップされていく。
Who Are You?のこれまでの楽曲MVなどを素材として作りながらの演出にはめちゃくちゃに唸ってしまった。


https://youtu.be/iKZf6LeH6Mw


SEVEN/7の、フルでYouTubeにアップすることに拘っていた登坂さんのシーンが大好きだ。
自分の音楽は「今」聴かれるための曲だ、というのが格好良くてたまらなく好きだ。
聴き継がれることをではなく、作ったその瞬間、今を共有しようとする彼の音楽はたしかにその時その時にマッチしていく。


グッズの話で香りと記憶についてインスタで登坂さんが回答していたけど、
登坂さんの作る音楽はそれに近いものがある。
瞬間に寄り添い、焼きつくから聴くとその曲を聞いていた時のことを思い出すきっかけになる。


だからMVがフルで公開されるたび、自分の信じたやり方を突き進む姿を見せてもらってるみたいでたまらなく嬉しくなるし、楽しみにしてるんだけど


Who Are You?は中でも演出が最高すぎるし、お芝居も最高だし曲も良すぎて、もう、脳の処理が追いつかなかった。
「本当に知らない」と繰り返しながら始まる音楽。
困惑しながらこれまでの自身の作品に覚えがないように振る舞う「登坂広臣」の姿。
壊し、進んでいく姿。


そして、そんな曲から始まるアルバム。


いやもう、このアルバム、最早一冊の物語ですよ。
答えを探す、と言って歩き出したひとりの青年の物語じゃん…。
かつ、2曲目で「解き明かしてみせる」と高らかに歌うの、あまりに登坂広臣節すぎる。
すごい。
そして早々にNobody knowsぶつけてくるじゃないですか。
この曲名が発表された時、締めにくるのかなってぼんやり思いはしたんですけどまさかの3曲目。さすが登坂広臣、めちゃくちゃに強い。
かつ、インスタの質問コーナー曰く、写真集時点でこの曲作りたいって思ってたというじゃないですか……。
いやもう……まじかよ……。
まじかよ……。


迷った、本当の自分がどんな姿か分からなくなった、という登坂広臣さんが歌う「誰にも触らせない」「色褪せないMy soul」って、もう、
あーーーこの人のことずっと好きだな、と思った。


単純な葛藤の吐露ではなく、ましてや弱音なんてものではなく、
自身のプロデュースとしてWho Are You?というアルバムを作り出すアーティストとしてのHIROOMI TOSAKA、あまりに格好良いし、こっからもこの人の作品が見たいというその一言に尽きる。
揺らが無い、と思った。揺らいでも迷っても、それをこの人は作品に昇華するんだな、とめちゃくちゃ痺れた。
だから、揺らが無い。
外野が何を言おうがおみさんは自分の信じるものを信じ続けるし、そのために歩き続けるひとなんだと思う。
そんなひとだから私はこの人の曲が、好きなんだよな。


そして続く恋愛曲もまた……。
NAKED LOVEからのOVERDOSEにはめちゃくちゃ拍手しちゃうし(この2曲のMVも天才だと思う)(仕掛け含めて楽しい)
OVERDOSEからのOne Way Loveとか物語として美しすぎる。


https://youtu.be/rbPUcsF9UAs


特にOne Way Loveはここ最近のMVの中では静かで穏やかな印象を受けるからこそ、いったんここでアルバムとしても一つの区切りになるというか
章立てが本当に美しいアルバムだなあ……。
おみさんの恋愛への価値観は、私の中にはないそれなんだけど、
だから余計に、物語的に楽しんでしまうというか、かつ、ここまで作品に作り込めるのすごく好きだなあと思う。
EGO(ライブパフォーマンスの方)とか大好きなんですよね。
恋を楽しむ人だからこそ作れる作品だと思う……。


最後の曲が、SUPERMOONなの、まじか、と思いながらブログを書いている。
おい勘弁してくれ、と呟いて頭抱えたいくらいの気持ちだ。


「君が待ってる夜空は 
どんな色に照らして欲しいのか教えてよ」


いや、もう、待ってください。
登坂さんまってください、この曲順、あまりにも天才的過ぎるし苦しくなるしめちゃくちゃ格好良いじゃないですか。
LION KINGからのUNDER THE MOONLIGHT、そんでSUPERMOON……
絶対的王者じゃん……とオタク特有の感想に落ち着いてしまった。
いやでもだって、あまりに……。


全部自分だ、と見つけて揺らが無いと宣言して、その上で「君はどんな色が見たいの?」と語りかけてくるんですよ……。


みんながどこにいても見える虹であれたらいいと思う、と三代目のライブMCで口にした彼は、
ソロ活動でも、「月」として見えるところにいてくれるわけですか…。
その上その時、「私たち」が見たいものを勝手に見ることを分かった上で何が見たい?と聞くおみさんの姿に最早感嘆の声しかでない。


怖くないんだろうか、と歓声に関して冒頭書いた。
怖くないわけではないかもしれないが、彼はそこにある「身勝手な願望の投影」すら背負って、その上で彼自身の道を彼の力で進むんだろうな。
どんなことがあろうが、変わらない、揺らが無い、絶対に触れさせ無い魂と一緒に。
触れさせ無いってのは別に断絶ではなくて、むしろ私はそんなところに妙に安心すらして、ああ好きだなあ、と思う。
そして、やっぱりこの人の作るものを見続けてなるべく長く好きでいたいなあと思うのだ。