えす、えぬ、てぃ

好きなものの話をしよう

4REAL

一音目から、the VISIONALUXからの変化に、動揺していた。クリアに映し出された表情も空気感もここ数日何かに取り憑かれたように実際にも脳内再生でも観ていた、AOSのディスクの誓いを歌う敬浩さんとは違う人のようにすら見えた。
そして、何より
シャウトを聴いた瞬間涙が出た。
そこにいたのは紛れもなく、ACE OF SPADESのボーカルである敬浩さんだった。

 


いよいよ、初めてにして最後の道の駅が近付いていた。1週間前くらいからそわそわと落ち着かず、グッズを買い揃えたり、当日の服を考えたりする中でふと、ああせっかくだし、溜めてたままになってる敬浩さん関係の円盤を観よう、と思い立った。
特に、3月19日にライブに行ったものの円盤を遅れて入手してそれっきりになっていたAOSよ4REALを観てから行くのもいいんじゃないか。


そう思った一番の理由は、やっぱり「YOU are ROCK STAR」が大きい。
YOUが誰のことなのか、という解釈については、いろんな考え方があると思う。その中でも私はGLAYさんなんじゃないか、と思っている。
そう思うようになってから聞けば聞くほど、どれだけ敬浩さんが彼らのことが好きで憧れなのかということに思いを馳せるようになった。そして、同時にそんな敬浩さんにとってのAOSの意味というか、存在について思いを馳せて、生でYOU are ROCK STARを聴く前に改めて目に焼き付けたくなったのだ。

 


そして、フォロワーさんの勧めも受け、the VISIONALUX……以下、愛称(?)である鈍器って呼ぶ……の同じく観ていなかったAOSについてのドキュメントが入ったディスクを観て、なんやかんやあり、ブルーレイデッキを衝動買いしつつ、ようやく、4REALを観た。


鈍器のAOSディスクを見た時、シャウトが可愛い…!と思ってしまった。
どの曲だったかきちんと控えてないんだけど、シャウトが伸びきったりせず、叩きつけることもなく、なんか、可愛かったのだ。
技術については私は音楽に対する素養がそんなにないので分からない。の中であれなんだけど、なんとなく、技術的問題からシャウトがあんな形になったわけじゃないような、そんな気がした。


これは全くもって、個人的感覚だけど、敬浩さんについてすごいなあ、と思うのは愛情に長けた人だな、というところだ。
SOWでのファンサや色んなメディアでの振る舞い、コメントを聞くたび、いつもしみじみ愛情を受け取る、渡すのがめちゃくちゃうまいな、と感心してしまう。
好かれている自信がある、と言ってしまえばそれまでだけど、
そうだけというよりも、愛情というそのものの意味とか価値を知ってる人なんだろうなあ、と思う。
価値を知らないと、大事にできないと思うので……。
そして、そうより思ったのがTiAmoのメイキングでのTAKAHIROさんのコメントだった。
道ならぬ恋を歌うあの曲のメイキングで、「もしもライブでこの曲を聴いて泣く女の子を見たら、俺も泣いちゃうと思う」(記憶を振り返りつつ書いてるのでうろ覚えです)と言っていたのだ。


まじかよ、と思って、とても印象的だったのを覚えてる。そんな、え、心寄せてくれちゃうんですか?!とある意味で無防備とも言える発言にびっくりしたのだ。


そして過去のEXILEの曲を最近、せっかく道の駅行くしパーフェクトイヤーくるし、と聞き始めて改めて思った。TAKAHIROさんが、というのもあるけど、きっとそもそもこの人たちがそういう歌を歌って、パフォーマンスしてきてくれたんだな。


感覚の話になってしまうけど、EXILEの曲を聴いてると寄り添う心を貸してくれる人だな、と思う。


普段、音楽は元々どちらかといえばロックやバンドが好きだった。
し、好きになる音楽たちは胸の底を抉られるような痛みを時としてくれたり、
どちらかといえば、近い距離感で痛いくらい抱き締めてくれる曲が私のこれまでの人生には多かった。


ただ、EXILEの曲はなんだろう、程よい近くて遠い、遠くで近い距離で寄り添って、そこにいてくれる。在るという事実をくれる。同一化まではしない。ただ、遠すぎもしない。
うーん、これ、めちゃくちゃ感覚の話になってしまうな……。


ともあれ、そんな感覚をそれぞれに楽しんでいたことやTiAmoのメイキングでのコメントを思い出してなんとなく、腑におちたような気がした。たしかに、TAKAHIROさんの歌にはシャウトって少し違うのかもしれない。


とは言いつつ、EXILEの曲にもシャウトはあるだろうし、なんならそもそもSINにシャウトがあってザラでその歌声を遺憾なく発揮しているところはDVDで観た。だから、全く根拠に裏付けされていない、感覚だけに基づく話だ。


ただ、AOSの4REALで、思い切り叫ぶ姿を見て、ああそうか、生きる場所って一つじゃなくて良いんだな、と大袈裟じゃなく、本気で思った。

 


なんか、EXILEのTAKAHIROさんもACE OF SPADESの敬浩さんもめちゃくちゃ格好良かったんですよ。
そしてどっちも幸せそうだったんですよ。


AOSというバンド自体が普段はそれぞれ別のフィールドで戦ってる人たちで、
まさしくアベンジャーズ、という通称が納得いくくらいそれぞれに最強なんどけど、
その人たちが揃うとこんなに格好良いのかよ、って、改めて思い知ってしまった。


や、もう絶対結成当時から格好良いんですよ。
だって、言ってしまえば出逢った瞬間からそれぞれレベル100の4人が集まって音楽してるんですから。
でも、アルバム作るよ、ツアーやるよって決めて集まった彼らは、いやそもそも、AOSを期間限定、ってだけで終わるんじゃなくてなんかやろうよ、って言い合ってこの約7年を過ごしてきた彼らは、もう、めちゃくちゃ格好良いんですよ。
当初のレベル100の彼らとはまた違うんです。


だって、この7年それぞれに生きてたんだから。


なんか、そう思うとめちゃくちゃ格好良くないですか。
生きてた結果、あんなに最高のものを生み出してしまうって、もしかしてだけど、生きてるってすごいことなんじゃないですか。
バンド・ACE OF SPADESEXILEどっちが良いか、なんてナンセンスな質問なんですよ。
だって、どっちでもでああして生きてきたからそれぞれのあの形があるんだから。
AOSだけで仮に活動していたらあのシャウトはないし、もしかしたらEXILEだけで過ごしていたらSOWのあのキラキラした笑顔はまた違ったものだったかもしれないんですよね。
なんか、それが、ものすごいことのように思えた。
逆に積んでてよかった、とそれぞれの円盤に対して思ったくらいだ。この短期間で見比べたからなおさら、そう思った。

 


みたいなことを考えて、つい人生に想いを馳せてしまった。おたくなので、好きな人たちを見るとすぐ人生について考えちゃう。
私は元々、敬浩さん好きなんだ、と気付くのが遅くて、あ、そっかと思ったのがなんなら三人の信長のときで
まあ、これにはたぶん色んな要因があるんだなあと思うんだけど、
一つには好きなものを一つに絞らないからこそならいっそあんまり特別好きって言わずにすごそう、みたいな心持ちがあるからだな、とも思い至ったんですよ。好き、とは言うけど心の底から自信を持って、名刺代わりのつもりで好きというにはハードルが高かった。敬浩さんを、じゃなくて、なんにせよ。


ただなんか、どっちも最高だし、どっちの敬浩さんも格好良いんだよなとしみじみ考えてたら、あ、そっか、別に良いんだ、とふと思って。生きる場所はたくさんあって良いし、好きな人ってたくさんいて良いし、それでそれぞれが自分の中で形作られて最強で最高になるんじゃん?!!!!

 


もー、4REALの感想どこいったって感じなんだけど、本当に幸せそうで楽しそうで、
それがいつかEXILEGLAYが大好きだった音楽が大好きな少年が行き着いた先で、
試されてるような心地にさらされながらチクショウ、ってマイクを左手で握っていた青年の先なら、世界、めちゃくちゃ優しいじゃん。
もちろんそれは、当然ながら世界が優しいんじゃなくて、敬浩さんが自分で掴んだものではあるんだけど。
なんか、悪くないっていうか、最高だなあ、とぼろぼろ泣いてしまっていた。


し、ラスト、観客への煽りで
「後悔すんなよ!」
って言ってて、あ、この人、私(観客)とコミュニケーションめちゃくちゃとろうとしてる、ってぶわっと感動してしまった。
人と人が関わって、一つじゃない世界で生きていって最高になるんだな、と実感した私にはあまりに衝撃的で、敬浩さんのことを更に好きになってしまう事実だった。


武道館でAOSのライブめちゃくちゃ観たいな……。このそれぞれの毎日が織りなす、次の最高が、すごくすごく観たい。し、それが彼らの夢の場所で叶えられたら良いと思う。