えす、えぬ、てぃ

好きなものの話をしよう

崖っぷちホテル8話がたまらなかった話

崖っぷちホテルが面白い。
まずあのドラマが日曜日にやってるっていう奇跡を、いやもうこれを奇跡と呼んじゃうんだけど、なんかそういうのを褒め称えたいくらい最高だと思ってる。

経営も従業員のやる気も崖っぷちなホテル「ホテル グランデ インヴルサ」を風変わりな客、宇海がやってきて、自信のない支配人佐那と共に大逆転へと盛り上げていくストーリー。
1話ごとに各従業員を味方につけていくストーリーは鉄板なんだけど、

もう本当にワクワクしませんか?って宇海さんの台詞だけで私はこのドラマを大好きだと叫びたくなる。

 


で、6月3日の崖っぷちホテルがあまりに最高だったので(正直いうと、他の回も最高だったんだけど)感想を書きたい。


七人の王女をもてなすことになったホテル一行。王継承で揉める彼女たちは仲が悪い上に、何故かいきなり帰りたい、と言い出した。
日本の滞在先にホテルグランデインヴルサを選んだのは王である父が忘れられない食事をしたからだと言う七女と協力しながら、果たして王女たちが満足できる思い出を作ることができるのか?


崖っぷちホテルが、日曜にあって嬉しいと思うのは、これがお仕事、のドラマだと思うからだ。


お仕事のドラマはいつのクールでも一定数あって、どれもこれも基本的に格好良く、諾々と飲み込んでしまってる日頃のもやもやを口にしたり、自分の道を信じたりする姿にスカッとしたり、明日から自分も頑張ろうと思える。そんなドラマが多いような気がする。
だが、崖っぷちホテルはこれらとは少し違う気がする。そもそも、コメディである。社会派ドラマでは、間違っても、ない。


更に、登場するのは自分で総支配人をすると一度は覚悟しながら自分には向いてないんじゃないかって悩む主人公や(まあでも、こういう主人公はある意味ではお仕事ドラマの鉄板な気もする)仕事をすぐサボろうとする従業員、それにどう考えても「向いてない」仕事をして人に迷惑をかけている従業員たちなのだ。
ただ、こうして文にしながらだから、ある意味で、共感しやすいドラマなのかも、と思う。まあでも正直、ドラマの分析がしたいわけじゃないんだ。だから好きって話なんだ。


この仕事が天職だ、と思えたり、或いは誰かの為になってるんだ、と実感しながら働いてる人がどれくらいいるだろう。
よくテレビやネットではキラキラ輝く仕事人が出てくるけど、そうじゃない人の方が圧倒的に多い。
し、ドラマ、アンナチュラルであった通り、どちらかといえば「労働は罰」って言葉の方がしっくりくるんだ。
だから、ああして向いてないなんて百も承知だけど、生きていく為に生活の糧を得るために「仕方なく」働いてる姿って、覚えがあるものなんだ。


そして、6月3日放送の8話の崖っぷちホテルである。
8話は、なんとか王女たちが来てよかったと思えるような夕食を振る舞えるかどうか、が鍵になるので、厨房組である江口さん、ハルちゃんがキーパーソンだ。特に、王女と仲良くなったハルちゃんが、鍵を握っていた。


私は、このハルちゃんが大好きだ。
常に明るくて、楽しそうで。ちょっとトンチンカンなことをよく言うけど、でも、そのどこにも悪意がなくて。見ていて元気になる。
宇海さんとハルちゃんはこのドラマの二大癒しキャラだと思ってる。


そんなハルちゃんが、王女と話した明るい系民族の話。もう、心臓ぎゅっとなって、愛おしさが込み上げた。
ちょうど、7話をTVerで見逃し視聴してから8話に臨んだので、尚更だった。7話の感想を私はツイッターでこう呟いていた。

 


「宇海さんは「笑うことに決めた」「楽しむことに決めた」人だと個人的には思っていて、その姿はなんというか、憧れでしかないっていうか、そうありてえなあーーー」


「1話の時は正直何故そんなにデフォルメ芝居を選んだんだろう、と思ってたんだけど、なんか、あれは「それを選んだ宇海さん」っていう宇海さんの生き方なんじゃないかな、と思えてきたよ。」


「9歳児で演じてる、ってのにも最初はそれ映像でやるといくら岩ちゃんさんの顔面偏差値を持ってしてもしんどくないですかね、って思ってたんだけど、最早私はちげえんだよ、ちげえんだよな、概念としての9歳児というか、むしろあの芝居を映像でやるのがさあって芋焼酎片手に語りたくなってます」


宇海さんや、ハルちゃんたち明るい系民族の人たちも、きっとそうなんじゃないか。わーーーーって思いながら自分がどんどん空っぽになるような気持ちになりながら、じゃあ明るい系民族を辞めてしまうんじゃなく、なんなら無理せず楽しく・・・ワクワクし続けられるのか、って考えたんじゃないか。
そう思うと、なんて、愛おしくて優しい人たちだろうと思った。

 


そんで、ハルちゃんはずっとそうだったな、と思い、ああだから彼女を総料理長にしたのか、と改めて納得したのです。


今回、どうしたら王女を怒らせないかを考え始めたメンバーに宇海さんが言う「それは当たり前です、どうしたらワクワクするか、考えるのはそれです」(意訳

 


なんだって、こうしなきゃ、と思うと途端に息苦しくなるし、わーーーーってなる。
変な緊張感はミスを引き起こしがちだし、無駄に疲れる。
だけど、ワクワクするか、を考えた彼らはどんどん、お客様を笑顔にしていく。
それは、楽しいからいくらでも考えられる、からじゃないか。
宇海さんにどうしたら、と聞いた大田原さんに答える。
「それは、考えるんです」


人間、嫌なことは考え続けられない。だから、ワクワクすることを考える。
向いてないってわーーーーってなるようなことを考えるんじゃなくて。


もう、そんなん、好きじゃん。
楽しくていい、そうしてワクワクしてやったことはきっと、誰かの嬉しいになる。
誰かの「嬉しい」に繋がるなんて、そんなん、ワクワクするじゃないか。

 


そんな、とんでもなく優しくて愛おしいことを言ってくれるドラマが、崖っぷちホテルだと思うんだ。


いよいよ、大逆転、への一歩を踏み出したホテルインヴルサ。
彼らが次はどんなお話を見せてくれるのか、私はワクワクしながら待ってる。そのお話で元気になって、また誰かをワクワクさせられたらいいなあ、そう思う。