えす、えぬ、てぃ

好きなものの話をしよう

あなたは夢麻呂さんという人を知ってるか


夢麻呂さんという、役者さんがいる。
役者で、演出家で、脚本家。
そんな、芝居人がいる。


初めて観たのはボクラ団義さんの十七人の侍だった。だけど、何より私の中で特別な彼の作品は、SANETTY produceの2016年上演のロストマンブルースだ。
そもそも、ロストマンブルースが大切だった私にとってあの作品は特別だ。
(観劇後上げた感想ブログの熱量が今読んでも凄まじい。大興奮かよ。大興奮だよ)
http://tsuku-snt.hatenablog.com/entry/2016/12/28/172838

ちょうど、上演1ヶ月前に観に行った舞台が途中で中止になってしまったこと、だからどうしても今度はカーテンコールまで観たかったこと。
初めてロストマンブルースを観た時、仕事で体調を崩してギリギリな中、踏ん張るために何度も何度も、DVDを観ていたこと。
公演が発表された当時、ツイッターで見た色んな話。
そういう諸々が詰まりに詰まって、特別・・・もうそれは、特別重く、というのがしっくりくるような・・・な公演だった。
それを、受け止めて吹き飛ばしてキラキラにしてくれたのが、あの公演だった。その中央に立っていたのが、夢麻呂さんだった。

今日、仕事中その時の景色とかを思い出して、話したくなったので、夢麻呂さんの話をしようと思う。

 

夢麻呂さんはともかく熱い。
ロストマンブルースの頃、主演でかつ叫ぶシーンや感情が振り回されるシーンが多いなか、毎日、遅くまで感想ツイートに返信をしていた。
それは、シェリーを満員にしたい朝倉(ロストマンブルースの主人公)の姿に重なって毎晩こっそり泣いてた。
んだけど、何も、それは朝倉だったからではない。ロストマンブルースだったからでも、主演だったからでもない。

いつだって、彼はそうだ。

役の大小でも、脚本演出でも、ゲスト出演でも。
見つける限り、丁寧に観劇への感謝を返す。
役名や演出であることを添え、ほぼ毎日。
いやもう、これって、凄いことだと思うんですよ。
良ければサインをって告げて、お礼を言って、また良ければ劇場に来てくださいって言い続ける。


周囲の舞台の宣伝をリツイートし、時には自分の言葉を添えて勧めて。

夢さんは、わりと、ストレートなツイートが多い。
劇場に来て欲しいってことも、集客についても、演劇はあくまで、自分の仕事だってことも。

たぶん、それは人によっては好きずきあるだろうなあ、と思うのだ。
色んな受け止め方だってあると思うのだ。
だけど、私は夢さんのやり方は全力で好きなのだ。
それがそれだけが絶対的に正しいって話じゃなくて、そういう「夢麻呂さん」を見るのが好きなんだ。

それは多分、そんなによく知らない私ですら彼にとってそれが本当でずっとそうやって真っ正面から向き合って作って来たんだ、と信じられるからだと思う。そこに意地とか誇りとかを見る気がして好きなんだ。


役への本人の投影、ってのはなるべく私がしないようにしたいことの一つで、
それと同じように舞台に立つ人の色んな背景とか事情を、推測なんてできたらしたくない。
そんな野暮天なこと、したくない。
あくまで、私はって話だけど。


ただ、夢麻呂さんのストレートで真っ直ぐなツイートはそういう気持ちすら吹き飛ばしちゃうのだ。本当に私の中で朝倉一義過ぎる。
えーもうそんなんずるいじゃん!って思うのだ。格好良過ぎるじゃん。
キラキラした格好良さじゃなくて、ただぼんやり過ごしてるだけじゃ手に入らない重厚な格好良さすぎる。
そんで、何より、ああこの人はお芝居が好きなんだな、と思うのだ。
仕事で、だからこそ、そこに狡いこととか一切持ち込まないんだなって、たぶんこの人は私の大好きなお芝居ってのを傷付けず愛し抜いてくれるんだろうな。
そう思えるのが、どれだけ幸せかって話なんですよ。


だから思わず堪らなくなってこんなブログを書いちゃってるのです。
つーか、去年のメトロノウムを最後に観に行けてないんだ。そろそろあの熱い芝居が観たいんだ。
観に行けない行けてないって話を書くことの不誠実さについては本当に申し訳ない。
ただ、どうしても夢麻呂さんのお芝居の話を書きたかった。


だって、そこには間違いなく私の大好きな愛されてるお芝居があるんだから。