えす、えぬ、てぃ

お芝居の感想など

飛ばぬ鳥なら 落ちもせぬ

先週、12日マチネに観劇。
久しぶりのボクラ団義さん!そして時代劇!
うきうきとドキドキで、初めましての吉祥寺シアター(お洒落でとても素敵な劇場でした)へ

あらすじ

聞いたまま書くのがそなたの仕事
そのまま書くか決めるのもそなたの仕事

 

ボクラ団義10年目公演第一弾

『忍ぶ阿呆に死ぬ阿呆』『耳があるなら蒼に聞け』以来、約3年振り3作目の“新作時代劇”!!

乱世の梟雄と呼ばれた【松永久秀

その「梟」が空に散る日そこにあったのは

久秀の言葉を綴り続けた【右筆】とその【手紙を運び続けた男】の物語だった

戦国の世と時の流れを飛び回る!ボクラ団義流、戦国スペクタクル舞台劇!!

 

 

ボクラ団義さんの歴史ものといえばifの物語の見せ方がともかく魅力的。もしかしたらこうだったのでは?と思わせる展開は毎回わくわくさせられる。

そして、個人的に、あー!ボクラ団義さんの歴史もの!と思う特徴は、大きな時代のうねりの描き方だ。

 

忍ぶ、耳蒼、そして他団体の上演ではあるんだけど、新撰組オブザ・デッドの舞台版。

どれも、歴史の大きなうねりの中で懸命に生き、そして飲み込まれた人たちの物語だと思う。

今回の飛ば鳥も、そのうねりは健在だった。

 

舞台セットや音響照明が作り出した空間と、色とりどりの衣装、そして、嘘のない全ての役者陣。
それらが、歴史のうねりを劇場に生み出すのは、いつ観ても、そして何度観ても壮観だ。
今回久保田さんが選んだ時代は戦国時代。それも、再び日本が戦乱の世へと進んで行く、そんな時代だ。
人気のある戦国時代の中でもちょっぴりマイナーと言われる時代なんだけど、そこは、ストーリーテラーがすごくうまい。
松永久秀、の真相について語る楠正虎の戦国パート
そして、タイムスリップしたゲーム会社HOMAREIの社員たち。
戦国パートは激しく渋く進んで行く中、
HOMAREIの社員たちが笑いを生み出してくれて、そのバランスが魅力的。

今回、対比がすごく好きで面白かった。
HOMAREIチームと戦国時代組、正室と側室、忍びを抜けて生き様死に様を決めることにした飛脚たちと気が付けば歴史に飲まれた松永や三好たち。生きるひと、死ぬひと。
そしてそれらが、全部揃っての飛ば鳥だった。

2時間40分という時間やテーマも相まって大河を1年見切った後のような気持ちになった。
そして、それは全体としての舞台(物語)の美しさだったと思う。

飛ば鳥の感想書くのを個人的に難しいなあ、と思ってて。
どんな話だった?どうだった?と聞かれると面白かった!しか出てこない。
そこから何を思ったとか、そういうのがうまく言葉にならない。ともかく何か大きなものに触れた気がする。
ただ、じゃあたとえば役者さんやシーンに絞って話すと、ここがこうで、と語り出せてしまう。
それがまた、面白い。
大きなうねりを出すために死力を尽くして、それぞれが必死に歴史の中で生き抜いたから、こんな感想になるんじゃないだろうか。

そして、それって歴史っぽいなあ、と思う。
例えば坂本龍馬とか、それこそ今回の松永久秀に絞って話せばいくらでも話したいことはある。
んだけど、大きく見た時はただただ連続して続いた時間の流れだ。
でも、そこには大きく名を残した人たちもいたんだな。

前説での久保田さんの知らない歴史上の人物がいても大丈夫です、はそういうことかな、と思ったり。世界観の話であって、個人はある程度、その瞬間の感じ方で理解すればいいというか。

そんな、感じだと思った。
そんな気持ちに、今回の飛ば鳥はなった。


ただあれだなー!もっと細かく観たいからDVDを大人しく待とうと思う!